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頭上に浮かぶ発光する青白いリングは、フルダイブ型オンラインゲーム「ミスティックフェアリー」のNPCの証である。なぜ廃プレイヤーであるこの俺の頭上にそれが付いているのかを説明をすると長くなるのではしょる。
俺は信用していた仲間に騙されたのだ。その結果俺はゲーム内で多額の負債を背負うことになる。ゲーム内通貨で一億ポルド、日本円に換算して約一千万円ほどだ。学生の俺には返済できない額。困った俺は運営に泣きついた。運営は救済措置として俺にゲーム内でNPCとして働くことを提案した。
高度AIミスティにより統括管理されているゲーム世界のNPCは人間のようなリアクションを取ることで評判だった。しかしその実、裏では俺のような人間キャストがNPCとして働いていることは知られていない。
俺に与えられた役割は酒場ナイトムーンで働くバニーガール「キサラギ・ミュウ」だ。というわけで俺の頭上にはNPCリングとウサギ耳が揺れ、眼下には豊満な双丘を支えるバニースーツのカップが見えている。それがキサラギ・ミュウとして初めてこのゲーム世界に降り立った俺の視野が捉えたものだった。
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統轄管理AIミスティの声が頭に響く。
『ようこそ、ミスティックフェアリーの世界へ。あなたは今からNPCキサラギ・ミュウとしてこの世界を彩っていただきます』
俺は自分の新しいアバターを確認しながらAIに尋ねる。
(俺はこれから何をすればいいんだ、ミスティ?)
『不適切な会話を確認。修正します』
「あたしにご命令を。偉大なるマイミストレス」
俺は自分の唇が発した言葉に驚く。
その声にはミスティに対する敬愛と信頼が込められ、しかもしっとりと落ち着いた艶を感じさせる喋り方だったのだ。
『あなたの行動は自由です。ただし、あなたの行動は逐一チェックが入りますので了承ください。わたしがキサラギ・ミュウとして不適切だと判断した場合に限り、今のように修正アシストが入ります。極力、アシストの入らぬよう行動いただいた方があなたのキャストとしての評価は上がる仕様となっております。評価があがればあなたの収入もそれに伴い上がるとご認識ください』
要はキサラギ・ミュウになりきれと言うことか。めんどくせえ。俺は心の中で舌打ちしながらも、にこやかにこう返した。
「わかりましたわ、マイミストレス」
どこかで鐘の音が鳴る。同時に胸がすっと軽くなる感覚があった。たぶん正しい行動だったというところか。
女性アバターでゲームをやった経験は何度かある。それが活きそうだ。