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朝の光が、黒川温泉の深い緑を透かして客室に差し込んでいた。
隣で眠る隆明は、昨夜の二度にわたる激しい情事で、文字通り搾り取られたように深い眠りについている。
少し開いた口元、乱れた髪。
名家の令嬢を完璧に満足させたという、男としての幸福な疲労がその寝顔に刻まれていた。
(お疲れ様、隆明。でも、お前の安息はここまでだぜ)
俺は音もなくベッドを抜け出し、浴室で手早く身体を清めた。
そして、トランクの奥から「二日目の朝」に相応しい毒を取り出す。
今朝の選択は、鮮やかな深紅。
昨夜の純白とは対照的な、血を思わせるようなサテン地のセットアップだ。
デザイン自体はシンプルだが、ブラジャーの中央には毒々しいほど大きな一輪の花のモチーフが鎮座し、海魅の白い肌の上で妖しく主張している。
そして、この下着の真骨頂は「裏側」にある。
手に取ったショーツを裏返せば、フロントのサテン地とは裏腹に、バックは全面が大胆なシースルー。
履いてしまえば、海魅の瑞々しいお尻の曲線が、隠されることなく露わになる設計だ。
鏡の前で、俺はゆっくりと赤を纏っていく。
サテンの滑らかな感触が、昨夜の熱を帯びた肌を冷ややかに撫でる。
(清楚な浴衣の下に、こんな毒を潜ませているなんて。隆明がこれに気づいた時、どんな顔をするか想像しただけでゾクゾクするぜ)
俺は赤を隠すように、宿の浴衣をさらりと羽織り、帯を心持ち緩めに締めた。
鏡の中には、湯上がりの色香を漂わせた、可憐な新妻が立っている。
ベッドサイドへ戻り、まだ夢の中にいる隆明の耳元へ顔を寄せた。
「……隆明くん。朝だよ、起きて?」
海魅の甘い声で囁きながら、俺はわざと彼の胸元に指先を滑らせ、はだけた浴衣の隙間から彼の肌をなぞった。
隆明が「んんっ……」と呻き、ゆっくりと重い瞼を持ち上げる。
「あ、海魅……。早いね。もう着替えちゃったの?」
「ふふ、お風呂に入ってスッキリしちゃった。ねぇ、隆明くん……」
俺は彼の腕の中に潜り込み、甘えるように鼻先を彼の首筋に擦り寄せた。
「お姫様、お腹がすいちゃった。本館で美味しい朝ご飯、食べに行こう?」
隆明は、海魅の無邪気な催促に顔を綻ばせ、「わかった、すぐ行くよ」と、まだ重い身体を起こした。
彼が立ち上がり、俺の後に続いて部屋を出る。
歩くたびに、浴衣の裾の中で真っ赤なサテンと、全面シースルーのショーツが海魅の肉体を刺激する。
(さあ、隆明。朝食の席で、お前はどれだけこの『新妻』に翻弄されるかな)
清彦としての期待を胸に秘め、俺は幸福な朝の空気を吸い込みながら、本館へと続く回廊を軽やかに歩き出した。
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本館の食事処は、磨き上げられた床に朝の光が反射し、香ばしい焼き魚の匂いが立ち込めていた。
座敷の個室風の席には、地元産の野菜や炊きたてのご飯が美しく並べられている。
周囲には他のお客さんの話し声が適度に響き、仲居さんたちが忙しなく立ち働く、平和で幸せな温泉宿の朝。
その中心で、俺たちは向かい合って座った。
「ねぇ、隆明くん。今日はどこに行こうか? やっぱり阿蘇なら、大観峰には行きたいよね」
俺は海魅の澄んだ声で、今日一日の予定を語り始めた。
「そうだね、あそこからの景色は最高だし。……お昼ご飯はどうしようか? 旅館の人に、地元の人しか知らないようなおすすめのお店、聞いてみようかな」
「いいな、それ。午後は黒川の温泉街をのんびり散歩して、食べ歩きもしたいし……」
隆明は、昨夜の疲れを感じさせながらも、俺の提案に優しく頷いている。
だが、その瞳の奥には、今朝の俺が放つ、どこか艶やかな「赤」の気配を無意識に感じ取っているような、落ち着かない色が混じっていた。
(そんなにソワソワして、どうしたんだ? 隆明。お前の目の前にいるのは、ただの『可愛い新妻』だぜ?)
俺は箸を休め、皿の上の出汁巻き卵を一つ、丁寧に持ち上げた。
「はい、あーんして」
甘い声で促し、俺は身を乗り出して彼に手を伸ばした。
その瞬間。
わざと緩めに締めていた浴衣の襟元が、重力に従ってふわりと開く。
隆明の視界に飛び込んできたのは、海魅の白い胸元と、そこに鎮座する毒々しいほど鮮やかな「深紅」のサテン地。
そして、中央で怪しく咲き誇る巨大な一輪の花のモチーフ。
「……っ!?」
隆明が息を呑み、卵を口にするのを忘れて固まった。
彼の視線が、海魅の清楚な顔から、その下の「禁断の赤」へと釘付けになる。
「ん? どうしたの、隆明くん。卵、嫌いだった?」
「い、いや……。海魅、お前、さっきの……赤いの、……」
隆明の顔が一気に赤く染まる。
周囲にお客さんがいる手前、大声も出せない彼は、動揺を必死に隠しながら声を潜めた。
「えっ、見たの? 隆明くん、エッチなんだから。朝ごはんの時くらい、ちゃんと私の顔を見ててよ」
俺はわざとらしく驚いたふりをして、手早く浴衣の襟を合わせた。
だが、合わせた指先をそのまま自分の唇へと持っていき、彼にだけ聞こえるような、湿り気を帯びた小さな声で囁いた。
「何って……秘密。……観光に行く前に、お部屋で着替え直すでしょ? その時に、教えてあげる」
(本番は、観光前の『お色直し』だ。それまでその想像を、限界まで膨らませておけよ……)
隆明は、喉仏を大きく動かして冷酒でも飲むかのように茶を一気に煽った。
彼の下半身が、座卓の下で再び熱を帯び始めているのが、隣の俺には手に取るようにわかる。
あどけない新妻の顔の下に潜ませた、全面シースルーの残酷なまでの「誘惑」。
俺は、食欲よりも強い欲望に支配され始めた夫の横顔を眺めながら、一口、お米をゆっくりと噛み締めた。
阿蘇の絶景を前に、この男がどれほど「着替えの瞬間」を待ち侘びて悶えることになるのか。
「ね、隆明くん。お味噌汁、冷めちゃうよ?」
俺は悪戯っぽく微笑み、再び「幸せな朝食」を再開した
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離れのお部屋に戻ると、窓から差し込む朝の陽光が、畳の上で踊っていた。
隆明の視線は、さっきの食堂での「赤」の残像に囚われたまま、片時も俺から離れようとしない。
「海魅。さっきの、見せてくれないか」
掠れた声で、彼が懇願するように言った。
俺はわざとらしく、困ったように眉を下げてみせる。
「もう……隆明くんったら。お昼間はエッチなことしないって、約束できる? 大観峰、行けなくなっちゃうよ?」
「ああ、約束する。見るだけだ」
「でも、前科があるしなぁ。昨夜だって、夕食まで待てなかったじゃない。どうしようかな~」
俺は悪戯っぽく唇に指を当て、彼をじらす時間を楽しんだ。
清彦としての冷徹な観察眼が、隆明の喉仏が激しく上下するのを捉える。
彼が今、どれほど渇いているか。
「……信じてるからね?」
俺は観念したように呟くと、ゆっくりと浴衣の帯に手をかけた。
するりと帯が解け、床に落ちる。
続いて、宿の浴衣を肩から滑らせた。
海魅の白く瑞々しい肢体が、鮮烈な「深紅」を纏って現れる。
「……っ!!」
隆明の息が止まった。
サテンの艷やかな光沢が、海魅のたおやかな曲線に沿って妖しく光る。
ブラの中央で毒々しく咲く大輪の花が、彼女の清楚なイメージを無惨に塗りつぶしていた。
「恥ずかしいな……。ねぇ、隆明くん。新婚旅行だから、ちょっとだけ背伸びして、無理して選んでみたんだけど……似合わないかな?」
俺は両腕で自分を抱きしめるようにして、頬を赤らめ、上目遣いで彼を見つめた。完璧な「内気な花嫁」の演技。
「似合いすぎてる。綺麗だ、海魅……」
隆明が震える手を伸ばし、その花びらのような肌に触れようとした瞬間、俺は「あ、後ろもね」と軽やかに告げて、クルリと背を向けた。
その刹那、部屋の空気が爆ぜた。
フロントの重厚なサテン地とは対照的に、バックは全面が、視神経を灼くようなシースルー。
海魅の白く柔らかなお尻の曲線が、赤い薄膜越しに、まるで剥き出しであるかのように生々しく曝け出されている。
「なっ、……海魅、それは……っ!」
俺はさらに追い打ちをかけるように、腰を少しだけ突き出し、振り返って小悪魔的な微笑を浮かべた。
「新婚旅行だから、ちょっとだけ冒険してみたの。……本当に、大丈夫かな?」
隆明はもはや限界だった。
彼は獣のような呻き声を上げ、俺の腰を掴もうと飛びかかってくる。
だが、俺はひらりと身を躱した。
「だーめ。さっき約束したでしょ? エッチばっかりはダメ。新婚旅行なんだから、ちゃんと観光も楽しまなきゃ。でも、夜は……お楽しみ、だね?」
俺は彼の胸を指先で軽く突き、突き放す。
隆明は荒い息をつきながら、行き場のない欲情を静めるように天を仰いだ。
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「もう、隆明くん。顔がすっごく熱いよ? 落ち着くために、もう一回お風呂に入ってきたら? 私はその間に、お化粧とかお出かけの準備を済ませちゃうから」
俺は、荒い息を吐きながら立ち尽くす隆明の背中を、優しく浴室へと押しやった。
彼は、未だに脳裏に焼き付いている「深紅のシースルー」の残像を振り切るように、ふらふらとした足取りで湯殿へと消えていった。
(いいザマだ。お前のその渇きが、今日の観光をどれほど甘美で残酷な時間に変えるか、今から楽しみだよ)
俺は独り、鏡の前で「お出かけ用」の服を手に取った。
手を出さない約束はさせたが、俺の「毒」はまだ終わらない。
鏡の前で身に纏ったのは、一見すると極めて清楚な、濃紺のハイネック・ニットワンピースだ。鎖骨まで隠すそのデザインは、シルエットこそ適度にタイトだが、令嬢に相応しい気品と知性を漂わせている。
浴室から戻ってきた隆明は、着替えを終えて上品に佇む俺の姿を見て、ようやく安堵の溜息をついた。
「よかった。その清楚な格好なら、僕もなんとか理性を保てそうだ。さっきの赤は、刺激が強すぎたから」
「ふふ、そうかな? 隆明くんを驚かせたくて選んだんだけど、ちょっとやりすぎちゃったね。ごめんね?」
俺はしおらしく首をかしげ、純真な新妻の微笑みを投げかけた。
しかし、彼が油断したその瞬間、俺はゆっくりと背中を向け、クルリと回ってみせた。
「……っ!!」
部屋の空気が、再び凍りついた。
ワンピースの背面は、腰のすぐ上まで大胆に、かつ鋭いV字型にカットされていた。
ブラジャーのストラップが見えない絶妙なカッティング。
深紅のブラは直接見えないが、だからこそ、その下に潜んでいる「赤」の存在が、隆明の想像力を暴力的に刺激する。
「カーディガンぐらいは、羽織っていったほうがいいかな?」
俺は悪戯っぽく肩をすくめ、彼を見つめた。
隆明の視線は、俺の滑らかな背中の曲線と、その先の「禁断の領域」に釘付けになっている。
「そ、そうだね。絶対に羽織ってくれ。君のその姿を、他の男に見せるなんて耐えられない。隠してくれ、頼むから」
彼は祈るような手つきで、俺の肩に薄手のカーディガンを掛けた。
しかし、その手は微かに震えており、瞳には抗いがたい飢えが宿っている。
「でも、海魅……」
隆明は俺を引き寄せ、耳元で熱い吐息を漏らしながら、どこか狂気を孕んだ声で囁いた。
「今日の夜は。そのワンピースを着たままで……抱きたい。その背中をなぞりながら、君をめちゃくちゃにしたいんだ」
俺は彼の胸に顔をうずめ、海魅の可憐な声で、震えるように答えた。
「隆明くんの、えっち。でも、夜まで待てたら、いいよ」
(いいぞ、隆明。大観峰の絶景の中でも、お前の頭はこの背中の『空白』と、その下に隠された『赤』のことで一杯になる。お前を、一刻も早く夜が来ることを願うだけの、欲望の奴隷にしてやるよ)
清彦としての確信を深めながら、俺は「幸せな新妻」として、彼の腕にしっかりと寄り添い、離れを後にした。
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黒川温泉を出発し、レンタカーのSUVは新緑の阿蘇を貫く「ミルクロード」を大観峰へと向かっていた。
窓の外には、世界最大級のカルデラが作り出す、神々しいまでの草原の波が広がっている。
隆明はハンドルを握りながらも、助手席でカーディガンを深く合わせ、膝の上で指を絡めている俺(海魅)の様子を気にしていた。
車内の空気は、朝の情事の余熱と、先ほどの「お色直し」で植え付けられた鮮烈な毒に、静かに支配されている。
俺はわざと、窓の外を流れる緑を見つめたまま、今にも消え入りそうな声で口を開いた。
「ねぇ、隆明くん」
「ん? どうした、海魅」
俺はゆっくりと顔を上げ、普段の小悪魔的な微笑を完全に封印し、鏡で何度も練習した「苦悩する純真な新妻」の表情を作った。
潤んだ瞳で彼をじっと見つめる。
「なんだか……新婚旅行だから、一生に一度のことだからって……ちょっとだけ自分に素直になろう、隆明くんを驚かせたいって思っていたけど。やっぱり、やり過ぎている気がするの」
「海魅……?」
「今、思い返すと……自分があんなに大胆な格好を選んだり、隆明くんをからかったりしたことが、すっごく怖いの。私、どうかしてたのかもしれない。あんなに破廉恥な……あんなにエッチな下着、本当の私じゃないみたいで……」
俺はわざとらしく肩を震わせ、カーディガンの襟元をぎゅっと握りしめた。
「嫌われちゃったかな、って。隆明くんに『こんなにだらしない女だったのか』って思われてるんじゃないかって……そう思うと、胸が苦しくて。やっぱり、普段の、大人しい私のように振る舞ったほうがいいのかな」
(いいぞ、隆明。お前の良心と保護欲を、徹底的に揺さぶってやる。お前が今抱いているのは、自分を喜ばせるために無理をして『汚れてみせた』健気な天使なんだと思い込め)
隆明は信号待ちの瞬間、ハンドルから左手を離し、俺の震える手を包み込むように握った。彼の瞳には、俺の予想通り、深い慈愛と後悔の念が浮かんでいる。
「そんなこと、あるわけないだろう。海魅、君が僕のために……僕を喜ばせようと勇気を出してくれたことは、痛いくらい伝わってる。嫌いになるどころか、もっと愛おしくなったよ。怖いなんて思わせた僕が情けない」
「本当? 本当に、嫌いじゃない?」
「ああ。誓うよ。君のどんな姿も、僕にとっては最高の贈り物だ。でも、そんなに不安なら、無理に演じなくていいんだ。君が君でいてくれるだけで、僕は幸せなんだから」
「ありがとう、隆明くん。……でも」
俺はわざと、彼の手に自分の手を重ね返し、ほんの少しだけ力を込めた。
そして、先ほどまでの怯えた表情から、一転して「覚悟を決めた女」の艶やかな眼差しを彼に向けた。
「でもね、さっき隆明くんが言ってくれたこと。このワンピースを着たまま、したいって言ってくれたこと。あれ、本当はすごく嬉しかったの」
「え……」
「だから、お昼間は……ちゃんと『お姫様』でいさせて。その代わり、夜になったら……隆明くんの好きな、あの『悪い海魅』に戻ってもいい?」
隆明の息が止まるのがわかった。
彼は再び前を向いて車を走らせ始めたが、ハンドルを握る指先が白くなるほど力が入っている。
(さあ、どうだ、隆明。お前は今、俺が『無理をして演じている』と思っている。だが、その背徳的な演技に拍車をかけているのは、他ならぬお前の欲望なんだぜ。お前は今夜、自分のせいで『堕ちてしまった』妻を抱くことになる。その罪悪感という最高のスパイスを、たっぷり味わわせてやるよ)
「わかった。昼間は、最高の景色を君に見せるよ。その代わり、夜は覚悟しておけよ」
隆明の声は、朝よりもずっと深く、逃げ場のない熱を孕んでいた。
大観峰の展望台が、もうすぐそこに見えてくる。
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大観峰の展望台から望む「阿蘇の涅槃像」は、その名の通り荘厳で、吹き抜ける風が火照った俺たちの肌を心地よく撫でていった。
「……綺麗。ねぇ、隆明くん。本当に来てよかった」
俺はカーディガンをきっちりと合わせ、風に乱れる髪を片手で押さえながら、控えめな笑みを浮かべた。
周囲の観光客が「絵に描いたような新婚さんね」と囁き合う声が聞こえる。
隆明はその視線に誇らしさを感じているのか、俺の肩を優しく抱き寄せ、エスコートしてくれた。
「ああ。海魅が喜んでくれて僕も嬉しいよ。さあ、そろそろお腹も空いただろう?」
昼食は、旅館で教えてもらった隠れ家のような郷土料理店へ。
俺は一転して、名家の令嬢らしい「おしとやかな新妻」に徹した。
箸の上げ下げから、お茶を啜る仕草一つまで、完璧な淑女を演じきる。
「隆明くん、このお野菜、とっても甘いよ。はい、どうぞ」
小皿に取り分けて差し出す俺の手元を、隆明はどこか落ち着かない様子で見つめている。彼は知っているのだ。
この清楚なワンピースの背中が大胆に開いていることも、その下に「赤」が潜んでいることも。
(公の場で淑女を演じれば演じるほど、お前の脳裏にはあの『淫らな姿』が焼き付いて離れない。そのギャップが、お前の飢えを加速させるんだ)
食後、温泉街の散歩へ向かう前に、俺はわざとらしく自分の頬に手を当てた。
「隆明くん。少し歩き回ったからかな、メイクが崩れちゃったみたい。それに、髪も少し乱れちゃって……。温泉街を歩く前に、一度お宿に戻ってもいいかな? すぐに整えるから」
「ああ、もちろんだ。無理をさせて悪かったね。一度戻って、ゆっくり準備し直そう」
隆明は、待ってましたと言わんばかりの顔で頷いた。
彼にとって「宿に戻る」という行為が、どれほど危険な誘惑を孕んでいるか。
確信犯的な俺の提案に、彼の足取りは駐車場へと向かう際、心なしか速まっていた。
再びレンタカーに乗り込み、宿への道を戻る。
車内は、行きよりもさらに濃密な沈黙に包まれていた。
俺は助手席で、わざとらしくカーディガンのボタンを一つ外し、鎖骨を指先でなぞった。
「なんだか、戻ったら少しだけ、お昼寝したくなっちゃうかも。隆明くんと一緒に……」
「海魅、君は……」
隆明は前を見据えたまま、押し殺したような声で呟いた。
宿へ続く細い小道に入ると、両脇の杉林が昼間でも薄暗い影を落とす。
(さあ、隆明。お前の望む『夜』を待たずに、この離れの静寂がお前をどう変えるかな? たっぷり楽しませてやるよ)
離れの玄関が見えた瞬間、俺は海魅の可憐な瞳を細め、獲物を追い詰める剥皮者の笑みを、一瞬だけ唇に浮かべた。
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離れの重い玄関扉が閉まり、カチリと鍵がかかる音が静寂に響いた。
その直後だった。
背後から熱い質量が押し寄せ、俺の身体は隆明の逞しい腕の中に閉じ込められた。
「……っ、隆明くん!?」
海魅の可憐な驚き声を上げながらも、俺の口元は暗がりで歪んだ。
彼の腕は、折れそうなほど強く俺の細い腰を抱きしめている。
ニットワンピース越しに、彼の激しい鼓動と、隠しきれない荒々しい「熱」が背中に直に伝わってきた。
「もう、限界だ。大観峰でも、食事の間も……ずっと、この背中のことばかり考えていたんだ」
隆明の低く掠れた声が、俺の耳元を熱く濡らす。
彼は我慢できずに、カーディガンの襟元に指をかけ、それを強引に肩から引き摺り下ろした。
露わになる、濃紺のニットに縁取られた真っ白な「V字」の背中。
「あ、あぁ……。夜まで我慢って、約束したのに。隆明くんの嘘つき」
俺はわざとらしく、抵抗する素振りも見せずに首をすくめ、吐息混じりに囁いた。
(いいザマだ。おしとやかな令嬢を演じれば演じるほど、お前の中の獣が暴れ出す。その罪悪感に塗れた顔が見たかったんだよ、隆明)
隆明の唇が、剥き出しになった俺の背中の中心を、震えながらなぞる。
「すまない、海魅。でも、君が……君がこんな、誘うような格好をしてるのが悪いんだ。……もう、一秒も待てない」
「んっ……、はぁ……っ。……しょうがないな。……お昼寝、少しだけだよ?」
俺はくるりと彼の腕の中で反転し、潤んだ瞳で彼を見上げた。
そして、彼の手を自分の腰へと導き、あの「全面シースルー」の境界線へと指先を触れさせた。
「ねぇ、隆明くん。ここ、さっきよりもずっと……熱くなってる。私のこと、そんなにめちゃくちゃにしたいの?」
(さあ、始めようか。真っ昼間の静寂の中、お前の理性が粉々に砕け散る音を聞かせてくれよ。夜まで待てなかったお前の『敗北』を、この身体にたっぷり刻み込んでやる!)
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薄暗い玄関からリビングへと続く短い廊下で、隆明の理性は完全に決壊していた。
背後から組み敷くように抱きしめられ、首筋に熱い唇を押し付けられる。
俺は海魅の華奢な肩をすくめ、わざとらしく困ったような、それでいてひどく艶っぽい吐息を漏らした。
「もう、本当に嘘つき。夜まで我慢するって、あんなに格好つけて言ったのに……。でも、約束を破ったのは隆明くんだからね? その代わり、私のお願い……しっかり聞いてね?」
俺は彼の腕をすり抜けると、誘うようにリビングのソファへと歩み寄った。
窓から差し込む午後の柔らかな光が、濃紺のニットワンピースに包まれた海魅の肢体を美しく縁取っている。
「……見てて」
俺は隆明を正面に立たせると、自らワンピースの裾に指をかけ、ゆっくりと、執拗にそれを腰の上まで捲り上げた。
「……っ!!」
隆明の喉が、引き攣ったような音を立てる。
フロントの淑やかな紺色とは対照的に、背後から露わになったのは、鮮烈な「赤」の衝撃だった。
全面シースルーのレース越しに、海魅の白く、柔らかなお尻の曲線が、生々しいまでの実在感を持って曝け出されている。
薄い赤い膜に包まれたその秘丘は、今朝の情事の名残か、あるいは今の興奮からか、うっすらと汗ばんで真珠のような光沢を放っていた。
(見ろよ、隆明。お前の愛する『清楚な令嬢』の裏側は、こんなにも毒々しく、お前を誘うために設えられているんだぜ)
俺はわざと彼に背を向け、腰をくねらせてそのシースルーの奥を強調してみせたあと、ゆっくりとソファの中央に深く腰を下ろした。
そして、おしとやかな仮面をかなぐり捨てるように、両膝を大きく左右に割り、M字の形で隆明の目の前にその「赤」を突き出した。
「ねぇ、隆明くん……。ここ、ずっと隆明くんのこと考えて、ドキドキしてたんだよ……。約束を破ったお仕置き、ううん、ご褒美。……このまま、私のあそこを、……舐めて?」
俺は潤んだ瞳で彼を見上げ、海魅の細い指先で、赤いレースのクロッチにじわりと染み出した熱い蜜をなぞってみせた。
「海魅……っ、あぁ、もう……っ!」
隆明はもはや一秒も堪えられないといった様子で、床に膝をつき、俺の股間へと顔を埋めた。
サテンとシースルーの境界線を強引に押し広げ、彼は海魅の最奥へと、飢えた獣のように舌を突き入れる。
「あ、ぁぁっ……! 隆明くん、……すごい、……っ! 舌、……熱いよ……っ!」
俺は彼の後頭部を両手で強く抱え込み、ソファに沈み込みながら、海魅の肉体が奏でる最高に淫らな喘ぎ声を、静まり返った離れの部屋に響き渡らせた。
清純なワンピースを捲り上げ、白昼堂々、夫に「奉仕」を強いる新妻。
(いいぞ、隆明。お前の舌で、この『赤』を汚し尽くせ。お前が跪いて俺を舐めるたびに、お前の中の『王子様』は死に、俺の支配下にある獣へと変わっていくんだ……!)
俺は鏡のように冷めた瞳で、必死に俺を貪る彼の頭を見下ろしながら、指先を彼の髪に深く沈ませ、その熱狂を全身で受け止めていた。
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隆明の顔が、俺の股間の「赤」へと深く沈み込んでいく。
サテンの滑らかな感触と、シースルー越しに伝わる彼の荒い鼻息。
俺はソファの背もたれに深く身を預け、海魅の細い指を彼の髪に潜らせて、逃げ場を塞ぐように強く押し付けた。
「あ、はぁ……っ! そこ、もっと、強く……っ」
俺の口から、自分でも驚くほど甘く、高い喘ぎ声が零れ落ちる。
隆明の舌が、赤いレースを押し退けて、海魅の最も敏感な場所に直接触れた瞬間、身体が弓なりに跳ねた。
「んんっ……! 隆明くん、……すごい、……っ。そんなに、……奥まで、……っ」
(いいぞ、隆明。お前が吐き出した愛の痕跡を、自分自身の舌で清めるんだ。清楚な令嬢に跪き、獣のように貪るその姿……。お前が一番、この『背徳』に酔いしれているんだろう?)
「ねぇ、止まっちゃだめ。もっと、海魅を……おかしくして? 約束、破ったんだもん。……いっぱい、いじめて……っ」
俺はわざと足をさらに大きく開き、彼が舐めやすいように腰を突き出した。
隆明の舌が、花びらを割るように深く、執拗に蠢く。
そのたびに、海魅の喉からは「ひぅっ……!」「あ、あんっ……!」と、抗えない快楽に震える可愛い声が溢れ出す。
「あ、ぁぁっ……! そこ、そこが大好きなのっ! 隆明くんの舌、……熱くて、……とろけちゃう……っ」
俺は彼の後頭部を抱え込み、乱れた髪を指で掻き回しながら、狂おしく腰を振った。
昼下がりの静寂な離れに、水音と、新妻の淫らな喘ぎ声だけが響き渡る。
「んっ、ふぅ……っ。隆明くん、……海魅、……もう、っ。……きちゃう、……きちゃうよぉ……っ!」
俺は泣きそうな声で叫び、彼の顔をさらに強く、自分の最奥へと押し当てた。
海魅の肉体が、絶頂の予感に小刻みに震え、隆明の奉仕を貪欲に吸い込もうとしていた。
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隆明の熱い舌が、海魅の最も敏感な場所に吸い付き、身体がビクンと大きく跳ねたその瞬間。
俺は快楽の絶頂へと突き落とされる直前で、彼の髪を掴んで強引に引き剥がした。
「っ、ふぅ、……だめ。……まだ、お預け」
「はぁ、はぁっ……海魅!? どうして……今、行きそうだったじゃないか……っ」
隆明は、涎と蜜で口元を濡らし、狂おしいほど飢えた瞳で俺を見上げた。
俺は乱れた呼吸を整えながら、捲り上げていた濃紺のワンピースの裾を、ゆっくりと膝まで下ろした。
(簡単にイかせてたまるかよ。お前のその『焦れ』が、最高に美味いんだからな)
俺はソファの上で膝立ちになり、彼に背を向けた。
ワンピースの背面に刻まれた、深いV字の空白。
そこから覗く海魅の白磁のような肌と、その奥に潜む「赤」の境界線が、午後の光を浴びて生々しく浮かび上がる。
「ねぇ、隆明くん。舌で行くのは、なんだかもったいないよ。このワンピース、夜まで待てないって言ったのは、隆明くんでしょ?」
俺は肩越しに、潤んだ瞳で彼を誘うように見つめた。
「約束、破ったんだもん。今度は、私のこの背中を……優しく、撫でて。……ゆっくり、……指先で、なぞって……?」
隆明は震える指先を伸ばし、ワンピースの縁から露出した俺の背中に触れた。
「ああ、……海魅。なんて、綺麗な背中なんだ……」
「んっ……、はぁ……っ。……そう、そこ。……背骨を、一つずつ……数えるように……。……気持ちいい、……隆明くんの手、……熱いよ……っ」
俺はわざと背中を反らせ、彼の指が動くたびに、海魅の可憐な喘ぎ声を漏らした。
ニットの柔らかな生地と、剥き出しの肌。その境界線をなぞる彼の指が、腰のV字の最深部、赤いレースがわずかに覗く場所へと近づいていく。
「あ……、あんっ……! そこ、……そこは、だめ……っ。……まだ、……触っちゃだめだよぉ……っ」
(いいぞ、隆明。お前の指先が、この『白』と『赤』の狭間で迷っているのが手に取るようにわかる。おしとやかなワンピースの下で、お前を誘うこの淫らな背中を、お前の欲望で塗りつぶしてみろよ……)
「ねぇ、隆明くん。海魅の背中、そんなに好きなの? もっと、……もっと愛して……?」
俺は彼の胸に背中を預け、首を傾けて彼に唇を寄せた。
昼下がりの静寂の中、指先から伝わる彼の熱が、海魅の肉体をじりじりと焦がしていく。
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俺はソファの上で隆明に背中を預けたまま、熱を帯びた吐息を漏らした。
海魅の白い背中が、午後の柔らかな光の中で淫らに波打つ。
隆明の指先が、V字に開いたニットの境界線をなぞるたび、全身に鳥肌が立つような甘い痺れが走った。
「ねぇ、隆明くん……。そんなに我慢しなくて、いいよ。手、入れてもいいよ?」
「っ、海魅……!」
どこに、とは言わなかった。
だが、飢えた獣と化した隆明に、それ以上の言葉は不要だった。
彼の手が、迷うことなく背中のスリットから内側へと滑り込む。
右手が脇をすり抜け、深紅のサテンに包まれた豊かな胸を、下から掬い上げるように掴んだ。
同時に、左手が腰の曲線に沿って、あの全面シースルーのショーツの中へと強引に割り込む。
「あ、はぁ……っ! いきなり、両方、……っ。隆明くん、……エッチ、……っ!」
俺の口から、弾けるような可愛い喘ぎ声が零れた。
右手の掌が、ブラの中で熱を帯びた乳房を圧迫し、指先が突起を執拗に弄る。
左手の指は、赤いレースの薄膜を押し退け、海魅の白く柔らかなお尻の割れ目を、直接、熱い指腹でなぞり始めた。
「んんっ……! そこ、お尻に、……指が、……っ。あ、あんっ……! 胸も、……そんなに強く、……っ!」
(最高だぜ、隆明。お前の両手は今、清楚な令嬢の服の下で、その『毒』を直接味わってやがる。表向きは静かな午後のひととき。だが、お前の手の中にあるのは、淫らに脈打つ、お前専用の牝だ)
「海魅、なんて柔らかいんだ。……背中から手を入れると、君を……まるごと支配してるみたいだ」
隆明の低く濁った声が、耳たぶを甘噛みしながら響く。
俺はわざと首を反らせ、彼の胸に後頭部を預けて、潤んだ瞳で天井を見つめた。
「あ、ぁぁ……っ。隆明くんの手、おっきくて、熱いよぉ……っ。……胸も、お尻も、……ぐちゃぐちゃに、されちゃう……っ」
俺は彼の動きに合わせて、海魅の腰を小刻みに振った。
右手で胸を揉みしだかれ、左手の指が秘部のすぐ近くまで侵入してくる。
その圧倒的な熱量に、海魅の肉体は再び、とろとろとした蜜を溢れさせていた。
「ねぇ、隆明くん。もっと、……もっと海魅のこと、……壊してっ。手だけじゃ、もう、……足りないよぉ……っ!」
俺は泣きそうな声で、彼の耳元で、最後の一線を越えるための言葉を紡いだ。
78bdc9fd No.3097
隆明の大きな両手が、背中のスリットからワンピースの内側へと深く侵入する。
右手が胸を、左手がシースルーのショーツ越しにお尻を強引に揉みしだく。
(さっきの舌の余韻が、まだ芯に残ってやがる。この『海魅の肉体』、感度が高すぎて……もう、限界だぜ)
「あ、ぁ……っ! 隆明くん、そこ、だめ……っ、あ、あんっ……!」
俺はソファの背もたれに手をつき、四つん這いに近い姿勢で腰を突き出した。
紺色のニットが捲り上がり、剥き出しになった背中のV字から、隆明の猛々しい「証」が海魅の最奥へと一気に突き立てられる。
「ひ、ぅあぁっ……!!」
ワンピースを着たままの背徳感。
服の摩擦と、内側から突き上げられる異質な熱。
さっき舌で絶頂寸前まで追い詰められた場所を、今度は硬い肉塊が容赦なく蹂躙する。
「あ、っ、……すご、い……っ。隆明くん、……中、……熱いよぉ……っ!」
(やばい。清彦としての冷静さが、この快感の濁流に呑み込まれそうだ……。声が、本能のままの汚い声が出ちまうっ!)
俺は唇を噛み締め、必死に「可愛い海魅」の喘ぎ声を維持しようと抗った。
だが、背中から覆い被さる隆明の重みと、執拗なピストンが、俺の理性を粉々に砕いていく。
「海魅っ、すごい、締まりだっ。やっぱり、このワンピースのまま……最高だよ……っ!」
「んんっ! ぁっ、あ、……ぁっ! も、もう……っ、隆明くん、おかしく、なっちゃう……っ!」
視界が白く明滅する。ワンピースの裾を握りしめ、俺は狂おしく頭を振った。
内側から激しく突き上げられるたびに、海魅の肉体がひきつけを起こしたように震える。
(さあ、来い。お前のその独占欲も、欲情も、全部この中に吐き出せ!)
「あ、ぁぁぁーーっ!! 隆明くん! 隆明くん、っ、出して、……中に、……っ!」
俺が絶叫に近い声を上げた瞬間、隆明の動きが激しく止まり、腰が深く押し付けられた。
ドクドクと、海魅の最深部が熱い奔流で満たされていく。
「っ、あ、……はぁ……、はぁ……っ」
俺はソファに顔を埋め、余韻に震える身体を横たえた。
ワンピースは乱れ、背中のスリットからは、隆明が精一杯愛した証が静かに溢れ出している。
「海魅。……愛してるよ」
耳元で囁く隆明の声。
俺は顔を伏せたまま、海魅の可憐な声で、消え入りそうに答えた。
「う、ん……。私も、……大好き、……隆明くん」
(ふぅ。これで今夜の『お楽しみ』への布石は完璧だ。昼間からこんなに乱されて……。夜、お前がどんな顔をしてあの『ガーター』を拝むことになるか、今から傑作だぜ)
清彦としての冷徹な満足感と、海魅としての甘い倦怠感。
二つの意識が混ざり合う中、俺は隆明の腕の中で、しばらくの間、静かに呼吸を整えていた。
09cbe06d No.3108
ソファの沈み込む感触と、背中を覆う隆明の重み。
静まり返った離れには、二人の荒い呼吸の音と、混じり合った濃密な愛の匂いだけが漂っている。
俺は乱れたワンピースの裾を握りしめたまま、顔をクッションに埋めていた。
海魅の細い肢体は、さっきの激しいピストンと絶頂の余韻で、指先まで痺れたように動かせない。
(出し切ったな、隆明。お前のその満足げな吐息。清楚なワンピースを汚した背徳感が、お前の支配欲を最高に満たしているのが手に取るようにわかるぜ)
「はぁ、はぁ……。海魅、大丈夫か? ちょっと、激しすぎたかな……」
隆明が後ろから覆いかぶさったまま、俺の剥き出しの背中のV字ラインを、労わるように優しく唇で辿った。
彼の舌が、汗ばんだ肌を這うたびに、海魅の肉体がびくんと小さく跳ねる。
「んっ、……隆明くんの、えっち。……お昼寝するって言ったのに、全然、寝かせてくれないんだもん……っ」
俺は顔を伏せたまま、わざと掠れた、泣き出しそうな甘い声で抗議した。
隆明は「すまない」と苦笑しながらも、俺の腰を抱き寄せ、耳元で愛おしそうに囁く。
「だって、君があんなに可愛い声を出すから。このワンピース姿、本当に反則だよ。まだ、中が熱い。海魅、君と一つになってる実感が、離れないんだ」
「もう、変なこと言わないで。……恥ずかしいよぉ……っ」
俺は首筋まで赤く染める演技をしながら、内心では冷静に次のステップを組み立てていた。
隆明は今、完全に「海魅を征服した」という充足感の頂点にいる。だが、この男はまだ知らない。
この清楚な紺色の布地の下、彼が今しがた蹂躙したその場所が、夜にはさらなる「猛毒」——黒のガーターベルトとストッキングによって、全く別の顔を見せることを。
「ねぇ、隆明くん。私、少しシャワー浴びてくるね。このままじゃ、温泉街に行けないもん」
俺はよろよろと立ち上がるフリをして、隆明の肩を借りた。
「ああ、そうだね。僕も一緒に入ろうか?」
「だーめ。隆明くんが入ったら、また『お昼寝』が長くなっちゃうでしょ? 一人で入らせて。その代わり、夜は……もっと、可愛がっていいから」
俺は彼の頬に、羽毛が触れるような軽いキスを残すと、乱れたワンピースを直すこともせず、背中のV字を曝け出したまま浴室へと向かった。
(隆明。夜の『本番』への飢えを、今の賢者タイムの裏側でじっくりと育てておけ……)
浴室の鏡に映った海魅の顔は、湯気に蒸気して、清純な花嫁のそれだった。
だが、その瞳の奥にある清彦の意識は、獲物を罠にハメた狩人のように、冷徹で、鋭い光を放っていた。
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リビングのソファには、事後の気だるさに身を任せた隆明が、半裸のまま深く沈み込んで眠っていた。
窓から差し込む午後の光が、彼の逞しい胸板と、まだ海魅の熱を帯びているであろう腰回りを淡く照らしている。
(出し切って、安心しきってやがるな、隆明。お前のその無防備な寝顔、最高にそそるぜ)
俺はシャワーを浴び、下着をあえて「毒」のない、普段使いのシンプルなセットに着け替えた。その上に宿の浴衣をさらりと羽織り、帯を緩めに結ぶ。
清純な新妻が、湯上がりの色香を漂わせながら、眠る夫を慈しむ……そんな構図。
だが、俺の指先は、迷うことなく彼の股間へと伸びた。
「ねぇ、隆明くん。まだ、寝てるの?」
海魅の甘い囁き。
俺はソファの横に跪き、彼の「証」を露わにした。
流石の彼も、今は静かに眠りについている。
俺は躊躇わず、その熱の残滓を、潤んだ唇でそっと包み込んだ。
(おっと、流石に中身が空っぽか? 反応が鈍いな……。だが、お前の本能を呼び醒ますのは、俺の得意分野だぜ)
俺は舌先を巧みに使い、根元から先端まで、執拗に、そして丁寧に愛撫を繰り返した。
数分。
隆明の呼吸が、微かに、だが確実に深くなっていく。
海魅の小さな口の中で、硬さを取り戻そうと脈打つ肉の塊。
じわりと、隆明の身体が再び熱を帯び始める。
「ん……ぁ、海魅……っ?」
隆明の瞼が震え、焦点の定まらない瞳が俺を捉えた。
その瞬間、俺はぱっと口を離し、何事もなかったかのように立ち上がって、彼の顔を覗き込んだ。
口元を手の甲でそっと拭い、悪戯が見つかった子供のような、無垢な微笑みを浮かべる。
「あ、起きた? おはよう、隆明くん。あんまり気持ちよさそうに寝てたから、つい……。……ううん、なんでもないよ」
「お前……今、何を。なんだか、すごく熱かったような……」
隆明は夢と現実の境界で困惑しながら、自身の股間の異変に気づき、顔を真っ赤に染めた。
俺はわざとらしく彼の浴衣を整えてやりながら、鈴を転がすような声で笑った。
「ふふ、隆明くんってば、寝言でも海魅の名前を呼んでたよ? さあ、そんなに赤くならないで。ほら、起きて! せっかく黒川に来たんだから、お土産買いに行こう?」
俺は彼の腕をぐいぐいと引っ張り、強引に立たせた。
「お、お土産か。そうだね、行かなきゃな……。でも、海魅、君……さっき……」
「えぇ? 何のこと? 早く行かないと、お店閉まっちゃうよ。美味しいお菓子とか、お揃いの箸とか、見たいもん」
俺は彼の言葉を遮るように、可憐な足取りで玄関へと向かった。
(いいぞ、隆明。その中途半端な熱を、散歩の間ずっと抱えていろよ。夜になったら、その『溜まりに溜まった欲望』を、黒のガーターで一気に爆発させてやるからな)
「隆明くん、早く! お姫様を待たせちゃ、めっ、だよ?」
振り返ってウインクを投げると、隆明はふらふらとした足取りで、俺の後に続いた。
温泉街の穏やかな街並みが、俺たちの「背徳の散歩」を待っている
75d9ac9a No.3114
夕暮れ時の黒川温泉。立ち上る湯気と、川のせせらぎ、そして軒を連ねる木造宿の風情が、現実感を淡く奪っていく。
俺たちは宿の浴衣を直し、下駄を鳴らしながら、緩やかな坂道をゆっくりと下っていった。
周囲には、同じように浴衣姿でそぞろ歩きを楽しむ観光客が大勢いる。
だが、その喧騒さえも俺にとっては最高の舞台装置だ。
「ねぇ、隆明くん。あっちのお店、可愛い小物がたくさんあるよ」
俺は海魅の可憐な声で、彼の腕にぎゅっとしがみついた。
浴衣の袖から覗く白い指先が、彼の逞しい二の腕をなぞる。
「海魅、あんまりくっつくと、歩きにくいよ」
隆明は困ったように笑うが、その顔は先ほどの車中や部屋での余熱を引きずり、隠しきれない独占欲に満ちている。
俺はわざと足を止め、人混みの合間を縫うようにして、自分の太ももを彼の足の間に滑り込ませた。
「えぇ? 歩きにくい? ……私は、こうして隆明くんを感じていたいのに」
浴衣の裾が擦れ合い、生足の柔らかな感触がダイレクトに彼の脚に伝わる。
俺はわざと足先を彼のふくらはぎに絡め、体重を預けるようにして密着した。
「海魅! 外だぞ、ここは……」
「ふふ、誰も見てないよ。みんな、景色に夢中だもん」
(お前の理性を、この温泉街の冷たい空気の中でじわじわと炙り出してやるよ。お前の足の間で、俺の足が何を探っているか、想像してみろよ)
俺たちは、小さな工芸品を扱う店に入った。
俺の目が止まったのは、奥の棚に置かれた、漆黒の漆塗りに金糸が施された細い「和風の紐」だった。
本来は帯締めや飾り紐として使うものだが、俺の脳内では別の用途が瞬時に組み上がる。
「ねぇ、これ。素敵じゃない? 夜、私の……手首とかに、巻いたら似合うかな?」
俺は隆明にだけ聞こえるような、湿り気を帯びた囁き声で、その紐を彼の手のひらに乗せた。隆明の瞳が、一瞬で「雄」の鋭さを取り戻す。
「海魅、君は……。そんなものを買って、どうするつもりだ」
「どうするって、隆明くんの好きなように、していいんだよ? あ、こっちの赤い組紐もいいな。どっちが、海魅に似合うと思う?」
俺はわざと、自分の首筋にその赤い紐を添えて、彼を誘うように見つめた。
(いいぞ、隆明。お前のその『支配したい』という本能を、この小道具一つで限界まで引き出してやる。お前が選んだその紐で、夜、俺をどう縛り上げるか……たっぷり妄想しろよ)
店を出た後、俺たちは地元の地酒や甘味を買い歩いた。
立ち止まってソフトクリームを食べる時も、俺はわざと指先についたクリームを、彼の視線から逃げないように、ゆっくりと舌先で掬い取った。
「ん……甘い。隆明くんも、……食べる?」
俺は彼にソフトクリームを差し出しながら、空いた方の手で、彼の浴衣の帯の結び目あたりを、指先で執拗に弄った。
「海魅、もう……。宿に戻ろう。散歩は十分だ」
「えぇ? もう帰っちゃうの? ……まだ、お土産、全部見てないよ?」
俺はわざと小悪魔的に首をかしげ、人混みの中で彼の耳たぶに唇を寄せた。
「でも、隆明くんがそんなに我慢できないなら……。お部屋に戻って、さっき買った『あの紐』……。使ってみる?」
隆明は返事をする代わりに、俺の手を折れそうなほど強く握りしめた。
彼の股間には、もはや隠しようのない「熱」が、宿の浴衣を内側から押し上げている。
(さあ、第3ラウンドの開演だ。温泉街の平和な景色を背に、お前の欲望を最高潮にまで高めてやった。今夜、あの黒のガーターを目の当たりにした時、お前は本当に……理性を保っていられるかな?)
3c19be64 No.3117
夕闇に包まれた黒川温泉の静寂が、離れの部屋を外界から切り離していく。
仲居さんが手際よく運び込む夕食の膳は、昨日とはまた趣の異なる、阿蘇の春を凝縮したような色彩に満ちていた。
「わあ、綺麗。隆明くん、見て。今日は山女魚の塩焼きじゃなくて、肥後牛の石焼きがメインみたいだよ」
俺は浴衣の袖を軽く押さえながら、無邪気な新妻の表情で食卓を囲んだ。
石の上で脂の弾ける芳醇な香りが、部屋の空気を満たしていく。
「本当だね。昨日も素晴らしかったけど、今日も贅沢だ。海魅、今日は飲まないのか?」
隆明が地酒の徳利に手を伸ばしながら問いかける。
俺はそっと手を振り、おしとやかに微笑んだ。
「うん。昨日は少し酔っ払って、隆明くんに甘えすぎちゃった気がするから。今日は、シラフでちゃんと、隆明くんのこと……隅々まで感じていたいなって」
(「甘えすぎた」なんてのは嘘だぜ。アルコールで感覚を鈍らせたくないだけだ。お前の焦燥と、俺が仕掛けた「赤」の残像……それを濁りのない意識で、徹底的に味わい尽くすためにな)
会話は、昼間の大観峰の絶景や、温泉街で見つけた組紐の話題で弾んだ。
だが、隆明の視線は時折、俺の浴衣の合わせ目や、動くたびに覗くうなじの白さに吸い寄せられている。
「君は、食事をしている時も、どこか……昼間とは違う雰囲気だね」
「そう? お腹が空いてたからかな。それとも、夜が来るのが楽しみで、顔に出ちゃってる?」
俺はわざとらしく小首を傾げ、箸先で丁寧に運んだ和牛のひと切れを、彼の口元へと運んだ。
「はい、あーんして。美味しい?」
隆明は、俺の指先が唇に触れるたびに、微かに肩を震わせている。
彼はまだ知らない。この静かな食事の時間が、彼にとっての「最後のご馳走」であることを。
「ああ、美味しいよ。でも、僕は、食べ物よりも……」
「だめだよ。しっかり食べて体力をつけておかないと。夜は、昨日よりもずっと……激しくなるかもしれないんだから」
俺は悪戯っぽく瞳を細め、彼にだけ聞こえるような低い声で囁いた。
食事を終え、膳が下げられた後の静寂は、昼間よりもずっと重く、濃密だった。
「さて。じゃあ、私、先にお風呂に入ってくるね」
「ああ。……僕もすぐに行くよ」
「ううん。今日は、私が先。隆明くんは、ここで少し休んでて? 私が上がったら、入れ替わりで入って」
俺は立ち上がり、彼の肩にそっと手を置いた。
(先に入るのは、もちろん「仕込み」のためだ。お前が一人で待っている間、浴室から聞こえる水音だけで、どれほど想像を膨らませるか。その飢餓感が、最高のおかずになるんだよ)
俺は着替えの入った籠を手に、内湯へと向かった。
浴室の扉を閉める直前、振り返って、まだ座卓に残っている隆明に微笑む。
「待っててね、隆明くん。上がったら、とびきりの『お色直し』、見せてあげるから」
カチリ、と扉が閉まる音。
脱衣所で浴衣を脱ぎ捨て、俺は鏡の中の「海魅」を見つめた。
今夜の主役は、あの「赤」ではない。
トランクの底で出番を待っている、漆黒のレースと、肌を締め付けるガーターベルト。
シャワーの水音が、静かな離れに響き始める。
その音が隆明の耳に届くたび、彼の理性が一枚ずつ剥がれ落ちていくのを想像しながら、俺はゆっくりと、自分の身体を清め始めた。
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湯気の立ち込める脱衣所。
俺は湿り気を帯びた柔らかなタオルで、海魅の白い肌を丁寧に拭き上げた。
鏡に映る自分は、上気した頬と潤んだ瞳を持つ、愛に飢えた新妻そのものだ。
「隆明くん、お待たせ。お湯、ちょうどいい温度だよ」
浴室の戸を開け、入れ替わりに入ろうとする隆明に、俺はしなやかな動作で歩み寄った。わざと浴衣の合わせを緩くし、湯上がりの火照った肌の香りを彼に振りまく。
「海魅。いい匂いだ」
「ふふ、そうかな? 隆明くんも、ゆっくり浸かってきてね? 今日の疲れ、全部お湯に流しちゃって。あ、でも、寝ちゃだめだよ?」
俺は彼の胸元に指先を這わせ、いたずらっぽく微笑んだ。
「わかってる。すぐ上がるよ」
「ダメ。ゆっくり、ね。私、お部屋で、もっと『準備』して待ってるから」
隆明の背中を浴室へと押しやり、戸が閉まる音を確認した瞬間、俺の瞳から「海魅」の甘さが消え、清彦の鋭い光が宿った。
(さあ、ここからが本番だ。お前が湯船で俺の残像を追いかけている間に、俺は最高に毒々しい罠を仕掛けてやるよ)
俺は寝室へと戻り、トランクの底から「それ」を取り出した。
今朝の鮮烈な「赤」とは一線を画す、漆黒のレース。
肌を刺すようなコントラストを生む、繊細な刺繍。
そして、太ももを冷たく締め付けるガーターベルト。
一本ずつ、丁寧にストッキングを吊り、ガーターの金具を留める。カチリ、という硬質な音が、静まり返った部屋に響く。
それは、隆明の理性を断罪する音だ。
軽く鏡に向かい、唇に深みのある紅を差し、目元には少しだけ湿り気を加える。
清楚な「海魅」の面影を残しつつ、内側に潜む「夜の女」の顔を完成させた。
仕上げに、俺は真っ白なベッドのシーツを身体に巻き付けた。
ガーターの黒が、シーツの白から時折覗く、計算し尽くされた配置。
「ふぅ。完璧だ」
浴室から、お湯を汲む音が微かに聞こえてくる。
俺はシーツにくるまり、枕に顔を半分埋めて、彼を待つ態勢に入った。
(お前がこの扉を開けた瞬間、お前の世界は、この白いシーツと、その下に隠された黒い絶望に支配されるんだ。)
数分後。
廊下を歩く、湿った足音が近づいてくる。
俺はわざと呼吸を乱し、期待に震える新妻の表情を作った。
「隆明くん? こっちだよ。待ってたよ……っ」
扉が開く。
そこには、髪を濡らしたまま、期待と情欲に顔を歪ませた隆明が立っていた。
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扉が開くと同時に、浴室の熱気とともに隆明が踏み込んできた。
彼の視線は、真っ白なシーツに包まれてベッドに横たわる俺を、逃さぬように射抜いている。
「海魅。待たせたな」
「ううん。隆明くんの入浴の音を聴きながら……ずっと、ドキドキしてたよ」
俺はわざとらしくシーツの端を握りしめ、上目遣いで彼を見つめた。
隆明がベッドの縁に腰を下ろすと、マットレスが沈み、彼の男らしい熱が伝わってくる。
「さっき、とびきりのお色直しを見せてくれるって言ったよね」
隆明の手が、俺の肩を覆う白いシーツに伸びる。
だが、俺はその手をそっと制し、自分自身の指先でシーツの合わせ目を少しずつ、焦らすように緩めていった。
「自分でも、ちょっとやりすぎちゃったかなって……。でも、隆明くんなら、きっと喜んでくれるって思ったの。……見て?」
俺はゆっくりと上半身を起こし、シーツを肩から滑らせた。
最初に露わになったのは、漆黒の極薄レース。朝の「赤」が暴力的な誘惑なら、この「黒」は、吸い込まれるような深淵の淫らさだ。海魅の白磁の肌に、黒い刺繍が毒々しいほど鮮やかに浮き上がる。
「黒……!? 海魅、それは……」
「新婚旅行のために……内緒で買っておいたの。似合う……かな?」
俺はわざと恥じらうように、潤んだ瞳で彼を見つめながら、シーツをさらに腰のあたりまで押し下げた。
そこには、肉感的な太ももを冷たく、かつ淫らに締め付けるガーターベルト。
黒いストッキングの網目から覗く、柔らかそうな肌の質感が、隆明の視神経を容赦なく灼いていく。
「あ、ぁ……。隆明くん、そんなにじっと見られると……裸より恥ずかしいよ……っ」
俺はわざと両脚を少しだけ動かし、ガーターの金具が「カチリ」と小さな音を立てるのを彼に聞かせた。
(いいザマだ、隆明。お前の喉仏がさっきから激しく動いてるぜ。清楚なワンピースを脱ぎ捨てた後に待っていたのが、この『夜の支配者』の黒だなんて、夢にも思わなかったろ?)
「海魅。君は、どれだけすれば気が済むんだ」
「人聞きが悪いよぉ。私はただ、隆明くんに……私を、まるごと食べてほしくて……」
俺は彼の首に腕を回し、耳元で熱い吐息を吹きかけた。
シーツはもはや、俺の腰の下で無造作に乱れている。
剥き出しになった黒のガーターと、白昼の情事の熱を孕んだままの海魅の肉体。
「ねぇ、隆明くん。お昼間、あんなに激しくしたのに……。ここ、また……こんなに熱くなっちゃってるの……」
俺は彼の大きな手を導き、黒いレースの境界線へと触れさせた。
隆明の理性が、最後の一糸を断ち切ろうとする音が、静まり返った離れに響くようだった。
この黒の檻に閉じ込められた俺を、お前の欲望でめちゃくちゃにしてくれよ。
夜は、まだ始まったばかりなんだからな。
fdaeaa83 No.3135
隆明の手が、黒いレースの縁に触れた瞬間、彼は弾かれたように俺を組み敷いた。
シーツの白とガーターの黒、そして海魅の透き通るような肌のコントラストが、彼の視界を埋め尽くしている。
「っ、海魅! こんな……こんなものまで用意していたなんて……。君は、僕をどうするつもりだ」
隆明の低く濁った声。
俺はシーツの海に沈み込みながら、わざとらしく怯えるように、それでいて熱を帯びた瞳で彼を見上げた。
「だって、隆明くんが。お昼にあんなに格好よくて、優しかったから。夜はもっと、私を見てほしくなっちゃったの……」
俺は海魅の細い腕を彼の首に絡め、黒いストッキングに包まれた脚を、彼の腰にそっと回した。
ガーターベルトの金具が、彼の肌に冷たく触れる。その異質な感触が、彼の獣じみた欲望をさらに煽り立てるのがわかった。
「恥ずかしい ……でも、隆明くんになら……何されても、いいよ……っ」
「そんな顔で言うな……!」
隆明は絶叫に近い声を漏らし、俺の鎖骨から胸元にかけて、貪るように唇を押し当てた。
黒いレースを強引に押し退け、海魅の柔らかな起伏に歯を立てる。
「あ、はぁっ! 隆明くん、痛い、……っ。でも、……もっと……っ!」
(いいぞ、隆明。お前が今愛しているのは、清楚な令嬢の抜け殻と、その下に潜むこの『黒い罠』だ。お前が俺を壊そうとすればするほど、お前自身がこの快楽の泥沼に深く沈んでいくんだぜ)
俺はわざと腰をくねらせ、ガーターのベルトが肌を締め付ける感触を彼に強調してみせた。
隆明の大きな手が、ストッキングの網目をなぞりながら、太ももの内側、最も柔らかい場所へと侵入してくる。
「熱い。海魅、君、……もうこんなに熱くなってる……」
「隆明くんのせいだよ。お風呂で待ってる間、ずっと……今の隆明くんのこと、想像してたんだもん……っ」
俺は彼の耳たぶを甘噛みし、濡れた声で囁いた。
「…ねぇ、隆明くん。お昼のワンピースも、……好きだった? でも、今の私は……もっと、エッチだよ……?」
隆明はもはや言葉を返せなかった。
彼は狂おしく俺の唇を奪い、漆黒のレースの隙間から、海魅の最奥へとその熱い指先を突き立てた。
「あ、ぁぁぁーーっ!! 隆明くん、……そこ、……っ、あ、あんっ……!」
(さあ、夜はこれからだ。お前の溜まりに溜まったその独占欲を、この黒い檻の中で全部吐き出させてやるよ……!)
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(どんなことしたい?と、隆明に聞けば、間違いなく「壊れるくらい激しく」なんて即答するだろうからな。あいつの飢えた瞳を見れば、そんな野性的な答えは聞かなくても分かってる。
だが、せっかくの黒川温泉、そしてこの「黒のガーター」という最高の舞台だ。
ただ激しいだけじゃ芸がない。
俺は隆明の胸に指先で円を描きながら、わざと少しだけ彼を突き放すように、しどけなく身を起こした。
乱れた黒いレースを指でなぞり、獲物を吟味するような視線を彼に向ける)
「隆明くん。何がしたいか、聞こうと思ったけど……やめとくね。だって、隆明くんの『したいこと』なんて、もう全身から溢れ出してるもん」
「海魅?」
「ふふ、そんなに怖い顔しないで。今夜はね、隆明くんの思い通りにはさせないよ。私が、隆明くんをどうしてあげたいか、それを、じっくり味合わせてあげる」
俺はベッドサイドの灯りをさらに絞り、部屋を深い闇とわずかな陰影の中に沈めた。
シーツの白、肌の白、そしてそれを締め付ける漆黒のガーター。
「ねぇ、隆明くん。動かないで。私がいいって言うまで、指一本動かすのも、禁止。……お昼にあんなに激しくしたんだもん。夜は……もっと、『深いところ』まで、じっくり壊してあげるから」
俺は彼の腕を頭の上に誘導し、昼間に温泉街で買った、あの漆黒の組紐を手に取った。
(さあ、隆明。お前の「激しくしたい」という本能を、この紐と俺の指先で、極限まで焦らしてやるよ。爆発寸前の欲望を抱えたまま、俺の愛撫に悶えるお前の顔……最高にそそると思わないか?)
「いい? 海魅の言うこと、ちゃんと聞くって、約束して?」
俺は彼の耳元で、熱い吐息とともに、今夜の「真のルール」を告げた。
2a18fc3b No.3238
(そうだ、隆明。お前のその強靭な肉体も、あふれ出る性欲も、今は俺のこの細い紐一本で完全に封じ込めてやる。お昼に見せた『頼れる夫』の姿なんて、今のこの寝室には必要ないんだよ)
俺はベッドサイドに置いた、昼間に温泉街で買ったあの漆黒の組紐を手に取った。
隆明の両手首を重ね、その上から容赦なく紐を巻き付ける。
「海魅? 君、本当に……何をっ」
「動いちゃだめ、って言ったでしょ? これは、約束を破ったお仕置き、ううん、ご褒美だよ」
俺は彼の抵抗を海魅の細い腕で押さえ込み、きつく、だが肌を傷つけない絶妙な加減で結び目を固めた。
白いシーツの上に、縛られた彼の褐色がかった腕と、黒い紐が鮮烈なコントラストを描く。
「ふぅ。完璧」
俺は彼の動きを封じると、ゆっくりと彼の体に跨り、腰を落とした。
ターゲットは、彼の顔。
黒のガーターベルトとストッキングに包まれた俺のお尻が、彼の鼻と口を完全に覆い隠す。
「んぐっ、海魅、何、を……っ」
「静かにして。隆明くんは、ただ、私の匂いを嗅いでいればいいの」
(どうだ、隆明。お前の愛する令嬢の、湯上がりの石鹸の香りと、その奥にある生々しい牝の匂い。それを至近距離で嗅がされながら、何もできない気分は?)
俺はわざと腰をくねらせ、彼のお尻に顔を擦り付けた。
彼の荒い鼻息が、シースルーのショーツ越しにダイレクトに秘部へと吹き付けられる。
「あ、はぁっ! 隆明くんの息、熱いよっ。そこ、そんなに強く、……っ」
俺はわざと彼の唇の真上に、蜜を滴らせ始めた海魅の核心を押し当てた。
黒いレースのクロッチを、彼の口元に執拗に擦り付ける。
「んんっ、ふ、ぅ……っ。隆明くんの、唇、柔らかいっ」
(やばい。お昼に乱された後だからか、感覚が研ぎ澄まされすぎてる。清彦としての冷静さが、この生々しい行為に呑み込まれそうだ)
俺は彼の顔の上で腰を振り、唇に核心を押し付けながら、彼が舐めようとするのを腰を浮かせてかわした。
「だめ。舐めちゃだめ。ただ、擦り付けるだけっ。あ、ぁぁ……っ、はずか、しいっ!」
俺は枕に顔を埋め、海魅の可憐な声で、本心の混じった叫びを漏らした。
「はずかしいよ、隆明くん……。私が、こんな、はしたないこと……っ!」
(令嬢のプライドが砕け散る瞬間。これこそが、最高の愉悦だぜ。お前はただ、俺のこの『恥じらい』と『蜜』を、その唇で受け止めていればいいんだ)
「舐めるのも、禁止。ただ、我慢してっ。海魅の、こ、ここが、ぐちゃぐちゃになるまで……っ!」
俺は泣きそうな声で叫びながら、さらに強く、彼の口元に自身の最奥を押し付けた。
縛られたまま、俺の「恥じらい」と「愛撫」に翻弄される隆明。
昼下がりの静寂とは違う、濃密で、歪んだ愛の形が、夜の寝室を満たしていった。
39d818c1 No.3240
(お前のその、今にも紐を引き千切らんばかりの腕の震え。最高だよ。お昼にあんなに激しく俺を貪った男が、今はただの『鑑賞者』に成り下がっている。お前のその飢えた瞳が、俺の肌を舐め回すたびに、海魅の身体はもっと熱く作り替えられていくんだぜ)
俺は彼の顔からゆっくりと腰を浮かせ、ベッドの上に四つん這いになった。
漆黒のショーツに包まれたお尻を彼の目の前に突き出し、わざとらしく腰を振って見せる。
シーツの白、そして俺の肌の白さに、ガーターの黒いラインが残酷なほど鮮やかに食い込んでいる。
「ねぇ、隆明くん。よく見て? この黒いレース、私の肌に、こんなにぴったり張り付いてるの。隆明くんの代わりに、この子が私をずっと、締め付けてるんだよ……っ」
俺は肩越しに彼を振り返り、潤んだ瞳で誘うように囁いた。
彼の手は頭の上で黒い紐に縛られ、逃げることも、俺を抱きしめることもできない。
「海魅、もう、勘弁してくれっ。その格好で、そんな風に動かれたら……僕はっ!」
「だめだよぉ。まだ、始まったばかりだもん。ほら、ここも……見て?」
俺は仰向けに寝返りを打つと、豊かな胸を包む漆黒のブラに指をかけ、ゆっくりと、本当にゆっくりと、その縁を押し下げた。
繊細な刺繍が施された黒いレースと、そこから溢れ出しそうな白い肌。
「あ、はぁ……っ。隆明くんの視線、刺さるみたいに熱いっ。胸が、……キュンってして、苦しいよっ」
(いいぞ、隆明。お前の視線が、そのまま俺を犯している。指一本触れさせないまま、お前のその『独占欲』を限界まで肥大させてやる。清楚な令嬢が、漆黒の檻に閉じ込められて悶える姿、お前の大好物だろ?)
俺はわざと片方のストッキングの留め金に指をかけ、カチリ、と小さな金属音を響かせた。
「あ、外れちゃいそう。隆明くんに、直してほしい。あっ……でも、おてては使えないんだよねっ」
俺は自分の指先で、ガーターのベルトを弾いて肌にパチンと当て、その刺激に小さな悲鳴を上げた。
「んんっ! ぁ、……はぁっ。はずかしい、……はずかしいのに、…隆明くんに見られてると、もっと、変な気持ちになっちゃう……っ!」
俺は膝を立て、M字に足を広げて、漆黒のショーツのクロッチ部分を彼に晒した。
そこには、もう隠しようのないほどの「熱」が、黒いレースを濃く濡らしている。
「ねぇ、隆明くん。ここ、……こんなにぐちゃぐちゃだよっ。…これ、全部隆明くんのせいなんだからね……っ?」
(さあ、どうする、隆明? お前のその自慢の理性、もう跡形もなく消え去ってるだろ? お前が選んだこの漆黒の組紐が、お前自身の欲望を縛り上げる、最高の枷になってるんだぜ!)
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隆明は、縛られた腕をシーツに押し付け、抗うように体を震わせた。顔を覆う黒いレースの感触と、そこから溢れる甘い毒のような匂いに、彼の理性はもう限界を超えている。
「っ、海魅……。何でもいい、好きにしてくれ。その代わり……もう、待たせないでくれっ!」
彼の掠れた声を聞きながら、俺はわざとらしく腰を浮かせ、彼の唇から秘部を遠ざけた。代わりに、漆黒のガーターベルトに縁取られた太ももを彼の頬に擦り寄せる。
「ふふ、そんなに焦らないで。ねぇ、これからどんなことして欲しい? 隆明くんの口から、ちゃんと聞かせて?」
俺は海魅の可憐な瞳を潤ませ、熱く囁いた。
「っ、海魅の、全部が欲しい……。その黒いレースを剥ぎ取って、中まで……めちゃくちゃに、したい……っ!」
「まあ、そんなに激しいこと。でもね、今は私が主人様なんだよ? 隆明くんは、ただ縛られて、私に弄ばれるだけの『お人形さん』なんだから」
俺は彼の胸元に、わざと冷たく尖った爪を立てた。
そして、黒いブラから溢れんばかりの胸を彼の視界に突き出し、じわりと腰を下ろしていく。
「それとも、こうして欲しいの? 舐めるのも禁止されたまま、ただ私の『恥ずかしいところ』を……ずっと、見せつけられるのがいい?」
俺は再び、彼の鼻先に核心を押し当て、ゆっくりと左右に振った。
黒いシースルー越しに、隆明の唇が敏感な場所に触れるか触れないかの距離で蠢く。
「あ、はぁ……っ! 隆明くんの鼻、ツンって、当たった……っ。はずかしい、そんなに、……見ないで……っ!」
(縛り上げた腕が、シーツを掴もうとして空を切っている。お前のその無力さが、俺の加虐心を最高に煽るんだよ、隆明)
「ねぇ、もっとお願いして? 『海魅さん、もっと恥ずかしいところを見せてください』って。ちゃんと言えたら、少しだけ……いいこと、してあげる」
俺はわざと膝を彼の脇腹に立て、より深く、より淫らに、黒のガーターが食い込む脚を広げてみせた。夜の静寂の中、隆明の荒い呼吸と、俺の演じる「令嬢」の震える声だけが、背徳の旋律を奏でていく。
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「海魅。お願いだ、もっと、もっと……恥ずかしいところ、見せてください。君の、その黒い……奥まで」
隆明が、屈辱に顔を染めながらも、絞り出すように言葉を紡いだ。
(言わせたぜ。令嬢を相手に、そんな下品な懇願を。お前の理性は、もうこの紐より先にズタズタだ)
「ふふ、よく言えました。本当に、隆明くんはエッチな人。でも……そんなに見たがるなら、見せてあげるね」
俺はゆっくりと腰を浮かせ、彼の目の前で黒いレースのクロッチを指先でそっと横にずらした。
露わになる、熱を帯びて赤く染まった海魅の最奥。
そこから溢れた蜜が、漆黒のレースに滴り落ちて、夜の闇に妖しく光る。
「あ、はぁっ! …隆明くん、見て……? こんなに、ぐちゃぐちゃだよ……っ」
俺はわざと足を震わせ、ガーターベルトの金具をチャリチャリと鳴らした。
隆明の瞳は、目の前の「禁断の果実」に釘付けになり、縛られた腕は、引きちぎらんばかりに痙攣している。
「あ、あぁっ! もう、無理だ。舐めさせて……いや、入れさせてくれっ!」
「だめ。……まだ、お仕置きの途中だもん。隆明くんは、ただ、見てるだけ。私が、自分で……こうするのを……」
俺は自分の指を、彼の視線の先にある秘部へとゆっくりと這わせた。
隆明の目の前で、自分自身を弄り、快感に顔を歪める海魅。
「んんっ、あ、ぁっ! すご、い……。隆明くんに、見られてると思うと、いつもより、……感じちゃうっ!」
(さあ、隆明。お前の目の前で、俺が俺自身で絶頂に昇り詰める姿を、その目に焼き付けろ。手も出せず、口も出せず、ただお前を置いていく……この最高に贅沢な『地獄』をな)
俺はわざと激しく腰を振り、彼の顔のすぐ上で、海魅の可憐な喘ぎ声を部屋中に響き渡らせた。
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隆明の鼻先に、海魅の秘部がこれでもかとばかりに押し付けられる。
指先がその奥へと滑り込むたびに、漆黒のレースが擦れる「しゃりっ」という音と、そこから溢れ出す愛液が奏でる「じゅぷっ、ちゅるり……」という淫らな水音が、静かな寝室に際どいリズムを刻んだ。
「あ、っ……んんっ!隆明くんっ。見てる、の? こんなところ、……触ってるとこ」
俺はわざと恥じらうように、潤んだ瞳で彼を見下ろしながら、指をゆっくりと深く沈めた。
わざとらしく肩を震わせ、海魅特有の、か弱くて可愛い喘ぎ声を喉の奥から絞り出す。
「ひぁっ、あんっ……! ダメ、……そんなに見ないでぇ……、恥ずかしくて、おかしくなっちゃう……」
指先が秘部のひだを丁寧に広げ、隆明の唇に、びしょ濡れの真実をこれ見よがしに塗りつけた。
(縛り上げられて何もできないお前の顔のすぐ前で、俺はこんなに無防備に、自分の快楽を貪っている。お前の欲望が、鼻先で揺れるこの水音一つで極限まで掻き立てられているのが分かるよ)
「んっ、ぁっ! ねぇ、隆明くん……。海魅の、ここ……。お昼よりも、ずっと、ずっと、……びしょびしょ、だね……」
俺はわざと指を激しく動かし、自分の蜜が隆明の唇と鼻筋に垂れるのを放置した。
黒いレースの隙間から覗く、充血しきった果実は、今にもはち切れんばかりに主張している。
「あ、ぁぁっ! やだっ! こんな恥ずかしい姿……、隆明くんに! 見られたまま、あっ、……っ! いっちゃう……っ!」
「ひぁっ! あ、あんっ! だめぇ、……隆明くんの、前で……っ、我慢できないっ!!」
俺はわざと腰を激しく振り、指先で自分の核を弾き続けた。
じゅぷ、ちゅる、と甘い音を立てて指が抜き差しされるたび、海魅の体はビクンビクンと小刻みに痙攣する。
演技と本能が混ざり合い、本当に羞恥に耐えかねているような可愛らしい泣き声を、これでもかと隆明の耳元に響かせる。
「あっ! あ、あああぁっ!! い、いっちゃうっ! 見てて! 私の、私の……っ!」
俺は指先を抜かずに、そのまま彼の唇に蜜を擦り付けたまま、全身を強張らせて絶頂の渦へとダイブした。
震える腰が彼の頬に何度も打ち付けられ、黒いガーターがチャリと鳴る。
寝室には、俺の可憐な嬌声と、隆明の荒い鼻息だけが満ちていた。
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俺は、まだ絶頂の余韻で震える身体をゆっくりと隆明の顔から引き離した。
シーツには、俺が撒き散らした情熱の跡が、黒いレース越しにうっすらと染みを作っている。
「ふふ、隆明くん。……いい子だったね。ずっと、じっと待っててくれて」
俺はベッドサイドで固く結ばれた漆黒の組紐に指をかける。
スルリ、と解ける感触。隆明の手首から縄目が消えるのと同時に、彼は獣のような息を吐き出しながら、しびれた腕を無様に投げ出した。
「海魅っ、もう、限界だ……っ!」
「わかってるよ。ご褒美、欲しかったんでしょ?」
俺は立ち上がり、黒いガーターベルトの金具を外すふりをして、わざとらしく腰を落とした。
床に座り込んだ彼の目の前に、俺の濡れた秘部を突き出すように座り直す。
シースルーのショーツと、漆黒のレースの隙間。
先ほどまで彼に擦り付けていた、俺の甘い「ご褒美」が、まだしっとりとそこに残っている。
(縛り上げられて飢えに飢えたお前の喉が、今、何を求めているか、分かりきってるよ。その誇り高い『夫』のプライドなんて、この味で完全に塗りつぶしてやる)
「いいよ。……食べて。海魅の、一番熱いところ……」
俺は腰を浮かせ、彼の顔を俺の脚の間に引き寄せた。
隆明の瞳には、理性など微塵も残っていない。ただ、獲物を捕らえた飢えた獣の光だけが宿っている。
彼は震える手で俺の太ももを掴み、迷いなくその唇を俺の蜜に押し当てた。
「んぐっ……っ!」
「あ、ぁ……っ! ふふ、すごい……。舌、……そんなに……っ」
湿った音が寝室に響く。
お風呂上がりの石鹸の香りと、俺の濃厚な体液が混ざり合い、彼の口内へと消えていく。
縛られていた時の焦燥が、今は執拗な愛撫となって、俺の敏感な場所を容赦なく責め立てた。
「あ、っ……! 隆明くん、……っ! ……そこ、……だめ、っ、そんなに、激しく……っ」
俺は彼の髪に指を絡め、快感に身を反らせる。
「あ、あ、ダメ、また……っ、そんなに綺麗に食べてくれるから……っ、また、……おかしくなりそう……っ!」
(見ろ、隆明。あんなに余裕ぶっていたお前が、今では俺の蜜に溺れて、無様に喘いでいる。これが、お前が欲しがった『海魅』の正体だ。その舌の先で、俺という『黒い深淵』を、骨の髄まで味わい尽くせよ)
「隆明くん。もっと、……汚して。……私のこと、あなたの匂いで……いっぱいにして……っ!」
俺は彼の頭を抱き寄せ、黒いレースの隙間をさらに押し広げた。
夜はまだ、終わらない。
縛られた記憶を上書きするように、彼はただ無心に、俺という「甘い檻」を貪り続けた。
21ada5d9 No.3373
俺は隆明の胸元に腰を下ろしたまま、シーツの上に投げ出された彼の両手首を見つめた。
黒い組紐が、彼の肌に生々しい赤みを残している。俺はその赤い跡を、指先でゆっくりとなぞった。
「ねぇ、隆明くん。この紐、外してほしい?」
俺はわざと解きかけの結び目に爪をかけ、すぐには解かずに指を滑らせた。
彼は自由を求めて腕をねじり、俺の腰を掴もうとするが、まだ組紐はそれを許さない。
そのもどかしさに、彼の荒い呼吸がさらに早くなる。
「海魅、もういいだろ。手を使わせてくれ。君を、……もっと強く抱きしめたいんだ……っ」
「ふふ、いいよ。……そんなに我慢できないなら、解いてあげる」
俺は唇を歪め、焦らすようにゆっくりと紐の末端を引いた。
ほどけた組紐がシーツの上に滑り落ちる。隆明は自由になった両手を大きく振り上げようとしたが、その手は空を切ることはなかった。
俺がその両手を掴み、あえて俺の腰回りに強引に引き寄せたからだ。
「さぁ、自由だよ。でも、逃がさない。その手で、私をもっと壊してみて?」
「海魅……!」
隆明の瞳には、飢えた獣のような光が宿っていた。
解き放たれたばかりの手が、俺の背中を、お尻を、ガーターベルトのレースを、まるで獲物を貪るように荒々しくなぞり始める。
「そう、それだよ。お昼のお上品な隆明くんはどこにもいないね。……今の君、最高にエッチだよ」
俺は彼の荒い指使いを受け入れながら、全身を彼に預けた。
縛られた記憶を上書きするように、彼は俺の体中に自分の痕跡を残そうと、執拗なキスを刻んでくる。
「ねぇ、隆明くん。もう、私のこと……どこにいても、離さないでよね?」
俺は彼の耳元でそう囁き、彼の両手を俺の胸元へと導いた。
束縛から解放された彼の手は、今度は俺を支配するために使われる。
寝室には、服の擦れる音と、二人の熱い吐息が混ざり合い、夜の闇に吸い込まれていった。
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組紐が解け落ちた瞬間、空気に触れた隆明の手首が、怒涛のような力強さを取り戻す。
俺が先ほどまで支配していたはずの主導権は、一瞬にして彼の両手に奪い取られた。
「あ、っ! 隆明、くん……?」
彼の手が俺の細い手首を掴み、ベッドへと強引に叩きつける。
先ほどまでの「甘やかしてくれる夫」の影は消え失せ、目の前には、飢えた獣のように光る瞳をした男がいるだけだった。
「ひ、あぁっ!!」
彼は何も言わず、俺の上へと覆い被さる。
その重みが、シーツの白さを掻き消すように俺を圧倒する。
逃げ場なんて、どこにもない。
「だ、だめっ、そんなに、強くっ! ……怖いよ、隆明くん、そんな顔で見ないで……」
俺はわざとか弱く、震える声で懇願する。
彼は俺の腰を片手でねじ伏せ、もう片方の手で黒いレースの縁を、乱暴に、指先で引き裂くように広げた。
「あ、あんっ!! そこ、ダメぇ!! ……壊れちゃう、っ、そんなに激しく、突いたら……っ!!」
「ごめん、海魅……。もう、我慢できない。君が僕を、こんなに狂わせたんだ」
彼の低い声が、耳元で震える。
俺は彼の肩に爪を立て、まるで捕食される獲物のように身体を反らせた。
「やだぁっ! 強すぎる! 隆明くん、っ、あ、あ、ぁっ!! もう、っ、全部、……壊されちゃうっ!!」
黒いガーターが、彼の激しい動きに合わせてチャリチャリと悲鳴を上げる。
俺の足は宙をかき、シーツを涙で濡らしながら、ただただ彼に蹂躙されるままになるしかなかった。
「あんっ、っ、あ、ぁ!! っ、ひぁっ、……た、隆明くん、ッ!! もう、ダメ!!、隆明くんにっ、……っ!!」
(いいぞ……。理性を捨てて獣になったお前の俺の身体の隅々まで、刻みつけてくれ)
俺は海魅の細い声で、泣きじゃくるように叫び続けた。
清楚な令嬢が、その全てを蹂躙され、黒いレースと愛欲の海に溺れ果てていく。
離れの寝室は、俺たちの狂おしい愛の音で、夜が明けるまで満たされ続けていた。
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隆明の突き上げは、もはや理性を完全に焼き切っていた。
ベッドが軋む大きな音が、深夜の離れに暴力的なほど響き渡る。
俺が身につけている黒いガーターベルトの金具が、彼と俺の身体が激しくぶつかるたびに、チャリ、チャリと金属的な悲鳴を上げる。
「あ、ぁぁぁぁーーっ!! 隆明くんっ!! だ、ダメっ、壊れるっ……っ!!」
俺は枕に爪を立て、シーツが涙でぐしゃぐしゃになるのも構わず、喉が張り裂けんばかりに絶叫した。
か弱い海魅として、彼の強すぎる愛欲を全て受け止める。
「はぁっ、っ!、んぐっ!! 海魅っ! 可愛い、もっと鳴いてくれ……っ! お前のその声、全部俺のものだっ!」
隆明の雄叫びにも似た低い声と、俺の震える嬌声が混ざり合い、静かな温泉街の夜を支配していく。
彼は俺の腰を片手で強引に引き寄せ、逃げ場を塞ぐように、容赦なく最奥を突き上げた。
「あ、ぁああっ!! っ、た、隆明くんっ!!、っ、あ、あぁぁ!! そこ、……だ、ダメぇっ!! そんなに、……奥までっ!!」
「っっ、!! あぁ、海魅っ!! っ、……ッ!!」
彼の身体が、激しい愛撫の中で大きく跳ねた。
俺の視界は、彼に蹂躙される快感で真っ白に塗りつぶされていく。
部屋中を満たす、肌と肌が弾ける生々しい音。
俺たちはまるで、互いの魂をぶつけ合うように、息も絶え絶えに叫び続けた。
「あ、あんっ!! っ、隆明くん!! ッ!! ……っ!! う、ぅ、……っ、っ!!」
(聞こえるか、隆明。お前のその『獣』の顔と、俺の『令嬢』の悲鳴。このまま、夜が明けるまで二人で壊れちまおうぜ!!)
俺は海魅の姿のまま、愛欲の渦に飲まれながら、この最高の「獲物」の情熱を、全身全霊で貪り尽くした。
37af91bc No.3410
窓の外からは、黒川温泉の清々しい朝を告げる鳥のさえずりが聞こえてくる。
「……う、……ん……っ」
重い瞼をゆっくりと開けると、網膜に飛び込んできたのは、昨夜の狂乱を物語る無残に散らばった黒いレースの残骸と、シーツの汚れだった。
身体中が重い。
特に、何度も執拗に貫かれた股間には、ズキリとした鋭い痛みが走る。
(ククッ。流石にやりすぎたか。清彦としての理性まで吹き飛ぶような夜だったぜ)
隣を見ると、隆明が大きな、幸せそうないびきをかいて泥のように眠っている。
あんなに獣のように俺を貪っていた男が、今は無防備な子供のような顔だ。
その時、枕元でスマートフォンの着信音がけたたましく鳴り響いた。
画面を見ると、本館のフロントからだ。
「は、はい。もしもし……」
俺はわざと、寝起きの、そして情事の余韻が残る掠れた「海魅」の声で電話に出た。
「あ、海魅様! おはようございます。……あの、朝食のお時間がだいぶ過ぎておりますが、何かございましたでしょうか? 」
仲居さんの心配そうな声。
お客様が朝食に現れないとなれば、騒ぎになりかねない。
「すみません。長旅の疲れが出たみたいで、……少し寝坊してしまいました。……あの、あと30分……。30分後には必ず行きますので、お待たせして申し訳ありません」
「さようでございましたか。承知いたしました。では、お支度がお済みになりましたら、お越しくださいませ」
電話を切ると、俺は深くため息をついた。
隣では、まだ隆明がグーグーといびきをかいている。
「ねぇ、隆明くん。起きて。朝食食べに行こう」
俺は痛む股間をさすりながら、彼の肩を揺すった。
(さあ、隆明。朝食の席では、また『清楚な新婚夫婦』の仮面を被らなきゃならないんだ。……お前のその、満足げな寝顔もここまでだぜ)
俺はベッドから這い出し、重い足取りで浴室へと向かった。
鏡に映った俺の首筋には、昨夜彼が残した、隠しきれないほどの真っ赤な痕が点々と刻まれていた。
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鏡に映る自分の姿を見て、思わず苦笑いが漏れた。
(こいつはひどいな。清楚なワンピースで隠しきれるレベルじゃないぜ、隆明……)
首筋から鎖骨にかけて、まるで縄張りを示すかのように刻まれた、濃い紅色の痕。
指で触れると、昨夜の激しい衝撃を思い出したかのように、下腹部の奥がズキリと疼いた。
「んっ、……海魅……?」
背後から、ようやく覚醒した隆明の掠れた声が聞こえる。
彼はベッドの上で上半身を起こし、目を細めて俺の後ろ姿を見つめていた。
「あ、隆明くん。やっと起きた。さっき本館から電話があったの。朝食で私たちが来るのを待ってるって」
「あ。そうか、もうそんな時間か……」
彼はまだ夢の中にいるような顔で、のそりとベッドから這い出してきた。
そして、洗面台の前に立つ俺の背後に回り込むと、迷いなくその太い腕を俺の腰に回す。
「っ! 隆明くん、だめだよっ。もう行かなきゃいけないのに……」
「……悪い。でも、昨夜の君が、あまりに綺麗だったから……」
彼は俺の首筋の痕にそっと唇を寄せた。
その感触に、俺は思わず「海魅」として小さく声を上げてしまう。
「ひぁっ、だ、め……っ。そこ、痛いんだから……っ。隆明くん、昨夜……すごく激しかったよ?」
俺はわざとらしく潤んだ瞳で鏡越しに彼を睨んだ。
股間の鈍い痛みを意識しながら、少しだけ足元をふらつかせてみせる。
「あぁ、ごめん。……海魅、歩けるか?」
「わかんない。でも、行かなきゃ。……30分で行くって言っちゃったんだから。……ねぇ、隆明くん。お化粧、手伝ってなんて言わないから、……せめて着替え、手伝ってくれる……?」
(さあ、隆明。お前がめちゃくちゃにしたこの体を、今度は優しく包み込んでくれよ。……俺たちはこれから、何食わぬ顔で『幸せな新婚さん』を演じなきゃならないんだからな)
俺は彼の腕の中で、甘えるように体重を預けた。
外では、朝の光を浴びた鳥たちが、さらに騒がしくさえずり始めていた。
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「もう、本当に困った人」
俺はわざとらしく溜息をつきながら、彼の手を引いてクローゼットへと向かった。
一歩踏み出すたびに、内腿に走る重い痛みと、昨夜の「熱」がまだ身体の奥に残っているような違和感が、俺を現実に引き戻す。
「海魅、顔が赤いぞ。まだ、しんどいか?」
隆明が心配そうに覗き込んでくる。
その真っ直ぐで誠実そうな瞳を見ると、昨夜、俺を縛り上げ、獣のように貪っていた男と同一人物だとは到底思えない。
「誰のせいだと思ってるの? ……でも、大丈夫。隆明くんに愛された証拠だもん。ねぇ、それ。その白いハイネックのブラウス、取って?」
「あぁ、これか」
彼に渡されたブラウスを羽織り、一番上のボタンまで丁寧に留める。
鏡を確認すると、あの真っ赤なキスマークは綺麗に隠れた。
だが、服の下には、まだあの黒いレースの残骸がベッドに転がっている。
「隆明くん、あっち……片付けておいて。仲居さんがお掃除に来ちゃうから」
「あ、あぁ。わかった。すぐやる」
(慌てて黒い下着を隠す『誠実な夫』か。滑稽だな、隆明。お前が昨夜、俺のその下着をどんな顔で引き裂こうとしていたか、俺は一生忘れないぜ)
俺は手早く化粧を整えた。
目元の赤みをコンシーラーで消し、唇には少しだけ血色のいい紅を差す。
鏡の中にいるのは、どこからどう見ても、少し寝坊しただけの、幸せいっぱいの若奥様だ。
「……よし。完璧。隆明くん、準備できた?」
「あぁ。行こうか」
隆明も着替え終わり、いつもの「頼れる男」の顔に戻っている。
部屋を出る直前、俺は彼の手をぎゅっと握りしめた。
「ねぇ、隆明くん。朝食の席では、あんまり私を見つめないでね? 昨夜のこと、思い出して……顔に出ちゃいそうだから」
俺は悪戯っぽく微笑んで、彼を促した。
痛む身体を引きずるようにして、俺たちは新緑の眩しい廊下を抜け、本館の食事処へと向かった。
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本館の広々とした大広間は、朝の柔らかな光に包まれていた。
畳の香りと、出汁の芳醇な匂いが立ち込める中、俺たちは仲居さんに案内され、一段高い場所にある座敷の席へと着いた。
周囲には数組の観光客が、穏やかに談笑しながら朝食を楽しんでいる。
薄い屏風の仕切りはあるものの、少し視線を外せば隣の老夫婦と目が合ってしまうような、開放的で、それゆえに緊張感の漂う空間だ。
「お待たせいたしました。こちら、当館自慢の釜炊きご飯でございます」
「わあ……美味しそう! ありがとうございます」
俺は「海魅」として、完璧な微笑みを仲居さんに向けた。
薄紅色の唇を上品に動かし、背筋をピンと伸ばして座る。
首元のレースブラウスは、昨夜隆明がつけた鮮烈な「愛の痕跡」を一枚の布の下に封じ込めている。
(誰も想像できまいよ。この清楚な令嬢が、数時間前には漆黒のガーターを身に纏い、獣のように咆哮する男の下で絶叫していたなんてな)
「隆明くん、お腹空いたね。さあ、いただこう?」
向かい合う隆明は、いかにも「真面目で誠実な夫」という面持ちで箸を手にした。
だが、その瞳の奥には、まだ隠しきれない熱が沈殿しているのを俺は見逃さなかった。
「ああ。……昨日は、よく眠れたからな」
隆明が平然とした顔で嘘をつく。
俺はその言葉に、わざとらしく頬を赤らめて俯いてみせた。
周囲の客からは、新婚旅行中の初々しい夫婦が照れ合っているようにしか見えないだろう。
だが、味噌汁の椀を口に運ぼうとした、その時だった。
テーブルの下で、隆明の大きな足が、俺の足をそっと探り当てた。
そして、昨夜の激しい衝撃でまだヒリヒリと疼いている俺の膝を、布越しにゆっくりと、執拗になぞり始めたのだ。
「……っ!?」
俺の身体が小さく跳ねる。
手に持った箸が、カチリと茶碗の縁に当たった。
隆明は、何食わぬ顔で焼き魚の身を解している。
だが、テーブルの下の彼の足は、さらに大胆に、俺のスカートの裾を押し上げ、ストッキングに包まれた太ももの内側へと侵入してきた。
(この男……! こんな場所で、何を考えてやがる。周囲にはあんなに人がいるんだぞ)
「海魅? どうしたんだい。手が止まっているけれど」
隆明が、冷徹なほどに穏やかな声で問いかけてくる。
彼の足先は、今まさに、昨夜彼が散々弄んだ「最も敏感な場所」へと、じわりと近づいていた。
「う、ううん。なんでもないの。ちょっと……昨日の疲れが、足にきてるみたいで……」
俺は必死に声を震わせないように答え、湯呑みを握りしめた。
すぐ隣の席からは、子供の笑い声と食器の触れ合う音が聞こえてくる。
見ようと思えば、誰でも俺たちの下半身の隠密な接触に気づくことができるかもしれない、そんな極限の状況。
股間の奥が、隆明の足の圧迫を受けるたびに、ズキリとした痛みと、それを上書きするような熱い拍動を繰り返す。
俺は海魅の仮面を剥がされそうになるのを必死に堪え、彼を上目遣いで睨みつけた。
「隆明くん。……ご飯、冷めちゃうよ……?」
声に微かな「制止」のニュアンスを込める。だが、彼はそれを受け流すように、口角をわずかに釣り上げた。
テーブルの上では、箸を運ぶ音だけが静かに響く。
だがテーブルの下では、解放された「獣」の欲望が、再び俺を蹂躙しようと牙を剥いていた。
(やるじゃないか、隆明。この衆人環視の静寂こそが、お前にとって最高の『焦らし』なんだな。いいぜ、この『完璧な夫婦』の仮面がいつまで保つか、最後まで付き合ってやるよ!)
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隆明の足先は、もはや偶然を装うことすらやめていた。
ロングスカートの奥深く、ストッキングの柔らかな感触を確かめるように滑り上がり、昨夜の熱を帯びたままの「そこ」を、足の親指でピンポイントに捉えた。
(っ! こ、この野郎……よりによって、そこを!)
隆明の足が、クリの尖端を円を描くように執拗に、集中的に弄り始める。
テーブルの上では、彼は涼しい顔で出汁巻き卵を口に運び、「美味しいね」などと爽やかに宣っている。
だが、テーブルの下から突き上げられる刺激は、容赦なく俺の理性を削り取っていく。
「んっ……、ふ、ぅ……っ」
不意に喉から漏れかけた声を、俺は慌てて咳払いで誤魔化した。
隣の席の老夫婦が、一瞬こちらを優しく見守るような視線を向けたのが分かる。
「あ、ごめんなさい。ちょっと、お出汁が喉に……ふふ、隆明くん、本当においしいわね、これ」
俺は必死に顔を綻ばせ、完璧な「海魅」の笑顔を作った。
だが、膝の上で握りしめた拳は、快感と屈辱で小刻みに震えている。隆明の足は、わざと力を強めたり、弱めたりして、俺の反応を楽しんでいる。
「あ、はぁ……っ、……んんっ……」
我慢しようとすればするほど、鼻にかかった可愛い喘ぎ声が、隙間からこぼれ落ちてしまう。俺はその度に、お茶を啜ったり、小皿を並び替えたりして、カチャカチャという音でその淫らな声をかき消した。
(ククッ……。隆明、お前……いい度胸してやがる。こんな大勢の前で、俺をイカせるつもりか!?)
数分が経ち、さらに調子に乗った隆明の足先は、今度は割れ目に沿って上下に、ぬるりと擦り付けられた。
布越しでも伝わる、硬くて熱い足の感触。俺の最奥は、昨夜のダメージも忘れて、再び蜜を滴らせ始める。
「っ、……っ!、……あ……」
俺の腰が、ガタりと小さく浮いた。
もはや限界だった。
俺はテーブルの下に手を伸ばし、自分の秘部を蹂躙し続ける隆明の、むき出しになった足首を、指先に力を込めて思い切りつねり上げた。
「っ!!、いっ、……!!」
静かな座敷に、隆明の短い悲鳴が響いた。
隣の客が驚いたようにこちらを向く。
隆明は箸を落とし、顔を引きつらせて固まっている。
「隆明くん? どうしたの、大きな声を出して」
俺はわざとらしく小首を傾げ、この上なく無垢で心配そうな、聖母のような微笑みを彼に向けた。
だが、テーブルの下では、彼の足首をまだギチギチとつねり続けている。
「い、いや。なんでもないんだ。……急に、足が吊ってしまって……あはは」
「まあ、大変。昨日の疲れかしら? ……お部屋に戻ったら、私がじっくり『マッサージ』してあげるから、今はしっかりご飯を食べてね?」
俺は「マッサージ」という言葉に、冷徹な殺気と夜の続きの予告を込めて囁いた。
隆明は額にうっすらと汗をかきながら、「……ああ、楽しみにしてるよ」と、ひきつった笑いで答えるしかなかった。
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朝食の席に漂う静寂は、今や俺たちの間で繰り広げられる、音のない「戦争」の戦場へと変わっていた。
隆明は、自分の足首を俺につねられた痛みに耐えながら、何食わぬ顔で焼き魚の小骨を外している。
その落ち着いたチノパンとポロシャツの着こなしは、いかにも清潔感のあるエリート夫そのものだ。
(やられっぱなしで終わると思うなよ、隆明。お前のその涼しい顔が、いつまで保つか試してやる)
俺は海魅としての淑やかな微笑みを保ったまま、ロングスカートの裾を密かに捌き、右足の親指と人差し指を器用に使って彼の足元へと忍ばせた。
「ねぇ、隆明くん。このお豆腐、大豆の味がしっかりしていて本当に美味しいわ。一口、食べてみる?」
俺は箸で湯豆腐を掬い、彼の口元へと運ぶ。
その優雅な動作の裏で、俺の足先は彼のチノパンの股間の膨らみを、真っ向から捉えていた。
「あ、ああ。いただくよ。……っ!?」
隆明が豆腐を口に含んだ瞬間、俺は足の親指と人差し指で、彼の「そこ」を優しく、だが確実な圧を込めて撫で上げた。
チノパンの硬い生地越しでも、中にある熱い塊が、一瞬にして跳ねるように反応するのが足の裏に伝わってくる。
「ふふ、どう? 美味しいでしょう? 隆明くん、お顔が少し赤いけれど、やっぱりまだお疲れが残っているのかしら」
「いや。……海魅が、あまりに……甲斐甲斐しくしてくれるから、照れているだけだよ」
隆明は豆腐を飲み込み、喉仏を大きく動かした。
彼は必死に平静を装っているが、テーブルの下では俺の足が、ゆっくりと、そして大きく、彼の中心を上下に愛撫し始めている。
(ほう……。これまで疲れがあるはずなのに、もうこんなに元気になってやがる。お前の身体は、俺の刺激に対して正直すぎるんだよ)
俺は親指と人差し指を使い、固く、そして熱く膨張していく彼の質量を、包み込むように、じわりと締め付けた。
隆明の肩がピクリと跳ね、彼が持つ箸の手がわずかに震える。
「海魅。……もう、そのくらいで……」
「あら、何のこと? ……あ、そういえば、さっき仲居さんがおっしゃっていた『地元の隠れスポット』、朝食の後に二人で行ってみない? 隆明くんと二人きりで、静かな場所に行きたいな……って」
俺はわざとらしく小首を傾げ、周囲の客に聞こえるような通る声で、甘い誘いを口にした。
だが、テーブルの下では、俺の足指はさらに執拗に、彼の亀頭の輪郭をなぞるように円を描き、中心をぎゅっと圧迫し続けている。
「っ、っく。……ああ、……いいな。二人きり……なら……どこへでも……」
隆明の声が、快感と忍耐で低く、掠れていく。チノパンの布地が、中からの圧力に耐えかねてパンパンに張り詰め、俺の足裏には、ドクドクと力強く打つ彼の鼓動がダイレクトに響いてきた。
「よかった。ふふ、隆明くん。……そんなに、奥歯を噛み締めなくてもいいのに。……美味しい朝食を食べている時くらい、……リラックスして? ……ほら、……もっと、……力、抜いて……っ」
俺は足の指をさらに深く潜り込ませ、彼の最も敏感な部分を、まるで指先で愛撫するかのように、ゆっくりと、そしていやらしく揉みしだいた。
(ククッ。周りの客は、お前が今、こんなに顔を真っ赤にして、股間を俺の足に弄ばれているなんて、夢にも思わないだろうな。……さあ、隆明。お前のその立派な『欲望』が、朝食会場で爆発しないように、必死に耐えてみせろよ)
俺は冷めたお茶を一口啜り、完璧な令嬢の微笑みを浮かべたまま、テーブルの下でさらなる追い打ちをかけるべく、足の指に力を込めた。
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俺は片方の手で頬杖をつき、うっとりと夢見るような、それでいてどこか挑発的な「海魅」の笑顔を隆明に向けた。
だが、テーブルの下ではもはや遊びの域を超えた、冷徹かつ情熱的な愛撫が繰り広げられている。
右足の指先で彼の先端を弄りながら、今度は左足をスルスルと忍ばせ、彼の股間を両側から挟み込んだ。
ポロシャツとチノパンという清潔感あふれる彼の装いの中で、膨らみきった質量が俺の両足の裏に、熱く、硬く、確かな存在感を持って収まっている。
「ねぇ、隆明くん。そんなに難しい顔をしてどうしたの? このお魚、冷めないうちに召し上がれ。ほら、あーんして?」
「海魅、君は……っ。はぁ、あ、ああ。いただくよ……」
俺が差し出した一切れを、彼は苦悶の表情を隠しきれないまま口にする。
俺は両足の裏を密着させ、彼の中心を上下に、力強く、そして「ぬるり」とした摩擦を感じさせるように擦り上げた。
チノパンの生地が擦れる「シュッシュッ」という微かな音が、俺たちの間だけで淫らに響く。
(いいぞ、隆明。その喉元まで出かかっている喘ぎ声を、必死に飲み込め。隣の家族連れも、後ろの老夫婦も、お前が今この瞬間、妻の足で絶頂の縁まで追い込まれているなんて、これっぽっちも思っていないんだからな)
「ふふ、美味しい? あ、見て。隆明くんの好きな、おぼろ豆腐もあるわよ。ねぇ、そんなに身体を強張らせて……そんなに、私の『おもてなし』が嬉しいの?」
俺はわざと足を交互に動かし、彼の裏側と表側を波打つようなリズムで責め立てた隆明の手は今やテーブルの縁を白くなるほど握りしめており、額には大粒の汗が浮かんでいる。
「海魅、もう、……っ。限界だ、っ。ここじゃ……」
「あら、何が限界なの? ふふ、そんなに汗をかいて。少し、お外の空気に当たった方がいいかしら? それとも、……もう、お腹いっぱい?」
俺は足の指で、彼の熱い鼓動が伝わるそこをギュッと締め付けた。
隆明の腰が小さく跳ね、彼は「っ、……!」と声を押し殺して天を仰いだ。
その無防備な首筋には、俺がつけたわけではない、彼自身の昂ぶりによる赤みが差している。
「ああ、……もう、十分だ。ご馳走様。……海魅、部屋へ……戻ろう」
「ええ、そうね。私も……隆明くんと二人きりになりたくなっちゃった。仲居さん、ご馳走様でした。とっても美味しかったです」
俺は優雅に立ち上がり、何事もなかったかのように着崩れたスカートの裾を整えた。
隆明はポロシャツの裾を引き、股間の「証拠」を必死に隠しながら、ぎこちない足取りで俺の後に続く。
廊下に出た瞬間、彼は周囲に人がいないのを確認して、俺の腕を強引に引き寄せた。
「海魅、お前……っ。あんな場所で……」
「ふふ、だって隆明くんが、とっても可愛かったんだもの。さあ、急いで? 続きは、誰にも邪魔されない……私たちの、あのお部屋で……」
俺は彼の耳元で悪戯っぽく囁き、痛みと疼きが残る股間を意識しながら、離れへと続く回廊を足早に駆け抜けた。
部屋の重い扉を閉めた瞬間、本当の「蹂躙」がまた始まることを、俺たちは確信していた。
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離れの重厚な扉が閉まり、静寂が訪れた瞬間。隆明は飢えた獣のような足取りで俺の間近まで詰め寄り、その太い腕を俺の腰へと伸ばそうとした。
しかし、俺は蝶が舞うような軽やかな足さばきで、彼の指先がブラウスに触れる直前にその場をすり抜けた。
「おっと。隆明くん、少し気が早すぎるんじゃないかしら?」
俺は窓際まで進み、朝の光を背に受けて優雅に振り返った。
驚きで手を伸ばしたまま固まっている隆明に、小悪魔のような微笑を投げかける。
「な……海魅? 部屋に戻ったら、続きをさせてくれるんじゃ……」
「続き? 何の続きかしら。私はただ、朝食を終えてお部屋で一休みしましょう、と言っただけよ」
俺はわざとらしく小首を傾げ、彼の困惑を楽しむように、指先で自分の唇をそっとなぞった。
物理的な距離を保ちつつ、彼の「雄」としての熱量をさらりといなす。
昨夜あんなに激しく乱され、今朝もテーブルの下であれほど彼を煽っておきながら、今は何事もなかったかのように「清純な令嬢」の仮面を完璧に被り直している。
「そんな……生殺しじゃないか。君だって、あんなに……」
「あら、心外だわ。最初にテーブルの下でいたずらを仕掛けてきたのは、あなたの方でしょ?」
俺は少しだけ唇を尖らせ、拗ねたような、それでいて艶やかな声で彼を咎めた。
自分が昨日からどれほど彼を焦らし、翻弄し続けてきたかという事実は、都合よく記憶の隅へ追いやって。
「それは……君があまりに綺麗だったからで……」
「言い訳は聞きたくないわ。いたずらっ子な旦那様には、少し頭を冷やしてもらう必要があるみたい」
俺はクローゼットから、上品な刺繍の入ったハンドバッグを取り出し、腕にかけた。
そして、呆然と立ち尽くす彼の隣を通り過ぎ、玄関のノブに手をかける。
「さあ、隆明くん。せっかく黒川温泉に来たんだもの。親戚や職場の皆さんに、素敵なお土産を買いに行かなきゃね?」
俺は振り返り、最高に華やかで、反論を許さない「完璧な妻」の笑顔を向けた。
「お買い物中、あなたがずっと『紳士』でいてくれたら……また夜に、いいことがあるかもしれないわよ?」
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隆明が運転する車の助手席は、適度な揺れと心地よい阿蘇の香りに包まれていた。
窓を少しだけ開けると、熊本の山あいを抜ける新緑の風が、俺の頬を優しく撫でる。
(流石に昨夜の激しさと、今朝の攻防で体力が削られたか……)
いつの間にか、俺は「海魅」としての緊張を解き、深い眠りへと落ちていた。
……ふと、意識の端に違和感を覚えた。
鳥のさえずりと、アイドリングを続けるエンジンの低い振動音。
どうやらどこかの景色の良い駐車場に車を止めたらしい。
だが、それよりも確かな違和感は、膝元に感じる「涼しさ」だった。
(隆明、お前……)
閉じた瞼の裏で、俺は状況を冷静に分析する。
さらりとしたロングスカートの生地が、ゆっくりと、音を立てずに太ももの方へと手繰り寄せられている。
隆明の視線が、露出していく俺の脚を舐めるように動いているのが、肌に刺さる熱で分かった。
俺は寝たふりを続けた。
規則正しい呼吸を崩さず、頭を少しだけ窓側に傾け、無防備な寝顔をさらけ出す。
「海魅……」
隆明の、掠れた、押し殺したような声が狭い車内に響いた。
次の瞬間、彼の大きな掌が、ストッキングに包まれた俺の膝にそっと置かれた。
指先が太ももへと、じわり、じわりと這い上がってくる。
(お土産を買いに行くはずが、我慢できずに車を止めたわけか。紳士の仮面が剥がれ落ちる音が聞こえるようだぜ)
彼は、俺が本当に眠っているのかを確かめるように、一度動きを止めた。
俺はわざとらしく「……ん、……ぅ……」と小さく寝返りを打つふりをして、さらにスカートがめくれやすいように足を少しだけ開いてみせる。
その誘いに乗るように、隆明の指がストッキングの伝線を恐れるような繊細さで、内腿の最も柔らかい場所へと侵入した。
「こんなに、可愛い寝顔をして……。朝食の時は、あんなに僕を苦しめておきながら……」
彼の指先が、昨夜の情事と今朝のいたずらで熱を持ったままの「核心」に、薄い布越しに触れた。
エンジン音が、俺の心臓の鼓動を隠すように重低音を響かせている。
(さあ、どうする、隆明? 寝ている俺を相手に、お前はどこまで一線を越えてくるつもりだ?)
俺は睫毛を震わせたい衝動を必死に抑え、完璧な「眠り姫」を演じながら、彼の手がもたらす背徳的な刺激を全身で受け止めた。
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隆明の指先が、ストッキング越しに俺の最も敏感な場所に到達した。
エンジン音の微振動と、彼の指が描く執拗な円の動きが重なり合い、下腹部の奥から熱い奔流が込み上げてくる。
(寝たふりをしている間に、身体の方が先に『海魅』の本能を曝け出しちまってる。ストッキングが湿り気を帯びていくのが、自分でもはっきり分かるぜ……)
「海魅……。こんなに、濡れて……。寝ている間も、君は僕を誘っているのか……」
隆明の掠れた呟きが、耳元に熱く吹きかかる。
彼は確信したのだろう。
眠っているはずの俺が、その実、彼の指先一つでこれほどまでに淫らに反応していることに。彼はついに、スカートを完全に腰まで捲り上げ、その奥で蜜に濡れて色を変えたストッキングのクロッチを露わにした。
指が布地を押し込み、昨夜の蹂躙で柔らかくなっていた核心を、じりじりと、力強く圧迫する。
「あ、……ん……っ」
俺はわざと、寝言のような、だが抗えない快感に負けたような可愛らしい声を漏らした。
身体を弓なりに反らせ、太ももをわずかに震わせる。
絶頂の予感――彼の指が、その「いいところ」を捉え、一気に押し潰そうとしたその刹那。
「……ん、……ぅ……? ……ぁ、た、隆明……くん……?」
俺は長い睫毛をゆっくりと震わせ、霧が晴れるように瞳を開けた。
焦点が定まらないふりをして、目の前にある彼の、欲望に歪んだ顔をじっと見つめる。
「な、……海魅……っ!」
隆明が弾かれたように手を引こうとしたが、俺はその手首を、海魅の細く、だが逃がさない強さを持った指先でそっと押さえた。
捲り上げられたスカート、露わになった下半身、そして彼の指にべっとりと付着した、俺の愛液の証拠。
「あ、……隆明くん……? 私……寝ちゃって……。っ、ひぁっ! な、なに……、……っ!?」
俺は自分のスカートの状態と、股間に感じる生々しい熱に気づいたフリをして、顔を真っ赤に染め上げた。
信じられないものを見るような、それでいて潤んだ瞳で彼を見つめる。
「はずかしい、はずかしいよぉ……っ! 隆明くん、私が寝てる間に……こんな……っ! ……あ、んっ……、まだ、……ジンジンしてる……」
俺は彼の手首を掴んだまま、自分の秘部へとさらに強く押し付けた。
逃がさない。彼が仕掛けたこの背徳的な悪戯を、今度は俺が「被害者」という名の支配者として、徹底的に利用してやる。
「だめだよ、隆明くん……。お買い物に行くって言ったのに……。こんなに、ぐちゃぐちゃにされちゃったら……、私、……もう歩けない……っ」
(ククッ。絶頂の直前で引き戻された気分はどうだ、隆明? お前の指は、俺の蜜でこんなに汚れちまってるんだ。……さあ、目覚めた俺に、この落とし前をどうつけるつもりだ?)
俺は震える声で喘ぎながら、彼の手を離さず、狭い車内を濃密な愛欲の香りで満たしていった。
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「あ、あぁ……っ、隆明くん……指、動かさないで……っ。でも、……やっぱり動かして……っ、もう、どうにかなっちゃいそう……っ!」
俺は涙目で彼の顔を見つめながら、太ももをぴったりと閉じ、彼の捕らえられた手を自分の股間でぎゅっと挟み込んだ。
ストッキングの繊維を通して、彼の指先へと俺の体温と、溢れ出た熱い蜜が容赦なく染み込んでいく。
「海魅……っ、すまない……。寝顔を見ていたら、どうしても抑えがきかなくなって……っ」
隆明は言い訳を口にしながらも、指先をさらに深く、俺の割れ目へと押し込んできた。
覚醒した俺の熱い愛液に包まれたことで、彼の理性を繋ぎ止めていた最後の糸が、完全にぷつりと切れたのが分かった。
「ひぁああっ……!、ん、んんっ……!! ……だめっ、車の中なのに……っ! 外から、誰かに見られちゃう……っ、あ、あぁっ!」
俺は助手席の背もたれに頭を押し付け、声を殺そうと自分の唇を噛んだ。
だが、車内の狭い空間に響く、肌と布地が擦れ合う生々しい音と、彼が荒く吐き出す吐息が、いやが上にも背徳感を煽り立てる。
「誰も見やしないさ……。ここは山の上の展望台の影だ。海魅、君がそんなに可愛い声で鳴くから……、僕をこんなに狂わせるんだから……っ!」
隆明のポロシャツの胸元を、俺は自由な方の手でぎゅっと掴んだ。
チノパンの股間は、今や朝食の時以上に、はち切れんばかりの質量で盛り上がっている。
「や、やだ……っ! ……隆明くんの……いじわる……っ。……お買い物に行くって、お約束したのに……っ! あ、あ、……そこ、だめぇっ……!!」
彼の手のひらがストッキングを激しく擦り上げるたび、脳髄へと突き抜けるような快感が襲う。
寝たふりをして十分に焦らされ、高められていた俺の身体は、もう限界だった。
(ククッ……。いいぞ、隆明。お前のその、罪悪感と欲情に塗れた顔……最高だぜ。……寝ている俺を襲おうとした代償、その身体の芯まで、俺の蜜で汚れることで支払ってもらうからな……!)
「あ、あんっ……!隆明くんっ!!、……もう、ダメ……っ、いっちゃう、いっちゃうからぁ……っ!!」
俺は彼の腕にすがりつき、車を大きく揺らすほどの衝撃とともに、背中を大きく反らせて絶頂へと駆け上がった。
窓の外には静かな新緑の風景が広がっている。そのすぐ隣で、俺たちは再び、終わりのない淫らな沼へと深く沈み込んでいった。
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「……もうっ! 隆明くんのバカっ!!」
俺は(いや、今の私は)ぐしゃぐしゃになったロングスカートを慌てて引きずり下ろし、真っ赤になった顔を両手で覆いながら、助手席のシートの端っこまで思いきり身を引いた。
潤んだ瞳で、これ以上ないくらい怒りの視線を隆明にぶつける。
「な、何考えてるの!? お土産を買いに行くって、紳士でいるってお約束したばかりじゃない! 私が、私が……車の中で気持ちよく寝ちゃってたのをいいことに、こんな……こんな破廉恥なことするなんて……っ!」
自分の指先がまだ彼の蜜で少し濡れているのを見て、さらに顔がカッと熱くなる。
「ひどい、ひどすぎるわ……っ! 朝食の時だってあれほど我慢したのに、今度は寝込みを襲うなんて……。隆明くん、お昼のお上品な旦那様に戻るって言ったのは嘘だったのね!? もう完全に、理性のないオオカミさんじゃないっ!」
慌ててシャツの裾を直して必死に言い訳しようとする隆明の言葉を、私は両手で耳を塞いでシャットアウトした。
「もう知らない! 言い訳なんて聞きません! ……決めました。ペナルティです!」
俺はバッグを胸元にきゅっと抱きしめ、ツンと横を向いて、冷徹な、だけど最高に可愛い「海魅」の声で告げた。
「これでお買い物に行っても、私は隆明くんと手を繋ぎません! それから……今日、温泉からおうちに帰るまで……。いいえ、今夜も、明日も、明後日も!!」
一呼吸置いて、彼の目を見据えて言い放つ。
「もう、エッチなこと全面禁止ですっ!! 私に指一本、触れるのもダメ! 隆明くんがちゃーんと反省して、元の『優しい紳士な旦那様』に戻るまで、絶対にお預けですからねっ!」
(ククッ……。さあ、どうする隆明? 絶頂の余韻に浸る暇もなく下された、突然の『全面禁止令』だ。このお預け地獄の焦らしに、お前のそのはち切れそうな欲望がいつまで耐えられるか……見ものだな)
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車は温泉街の賑やかなお土産屋さんの通りへと滑り込んだ。
駐車場に車を止めると、隆明はすかさず助手席のドアを開け、まるでお姫様を迎えるかのように恭しく手を差し伸べてきた。
けれど、私はその大きな掌を見つめ、わざとらしく「ふんっ」と鼻を鳴らして、彼の手に触れないように一人で車外へと降り立った。
「あ……海魅……」
「言ったはずよ、隆明くん。おうちに帰るまで『お触り禁止』です。さあ、行きましょ」
私はロングスカートの裾を揺らしながら、スタスタと先を歩き始める。
一歩進むたびに、チノパンの上から無理やり責め立てた右足の指先や、まだじんわりと熱を持ったままの秘部がストッキングと擦れて、実はこの身体も切ないくらいに疼いていた。
けれど、それを見せるわけにはいかない。
(ここで俺が顔を赤らめたら台無しだ。完璧な『怒れる令嬢』をやり遂げてやるぜ)
通りを歩けば、すれ違う観光客たちが「綺麗な奥さんだな」とでも言うようにこちらを振り返る。
私は周囲の視線を意識しながら、いっそう背筋を伸ばし、上品で完璧な微笑みを通りに向けて振りまいた。
「わあ、あそこのお菓子屋さん、とっても素敵! 隆明くん、お義母様にはあのお煎餅の詰め合わせがいいんじゃないかしら?」
「あ、ああ、そうだね。海魅が良いと思うものなら、きっと母さんも喜ぶよ……」
後ろを歩く隆明の声は、どこか元気がない。だが、彼の視線が私の後ろ姿――特に、歩くたびにしなやかに揺れる腰のラインや、首元のレースブラウスから覗く、彼が今朝まで必死に隠した真っ赤な痕跡に、これ以上ないほど貪欲に注がれているのが気配で分かった。
お土産屋の店内に入ると、通路が狭いせいで、どうしても二人の距離が近くなる。
お煎餅の箱を手に取ろうとした瞬間、彼のポロシャツの袖が、私の腕にすっと触れた。
「……っ!」
隆明がビクッと肩を跳ね上げ、慌てて一歩下がって両手を挙げる。
その怯え方がおかしくて、私は吹き出しそうになるのを必死に堪えた。
「……今のは不可抗力だよ、海魅! 決してわざとじゃ……」
「……分かっています。でも、次からはもっと気を付けてね?」
私はわざと冷ややかな、だけどどこか拗ねたような視線を彼に送った。
彼のチノパンのフロントは、まだ完全には静まり返っていない。
人混みの中で、触れたくても触れられない、抱き締めたくても拒絶されるという「地獄のお預け」に、彼の男としての本能が限界を迎えつつあるのが手に取るように分かる。
「さあ、これをお会計してちょうだい、ダーリン? 荷物持ちは、あなたの係よ」
私は可愛らしく小首を傾げ、お土産の箱を彼の胸元に押し付けた。
彼の手が私の指先に触れないよう、絶妙なコントロールで。
(さあ、隆明。お前のその燃え盛るような欲望、どこまで耐えられるかしら? 焦らされれば焦らされるほど、次にこの仮面を剥ぎ取った時の快感は、お前を狂わせるほど大きくなるんだからね……っ)
私は彼に背を向け、次のお店へと優雅に歩き出した。
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両手いっぱいのお土産袋を抱えた隆明を引き連れて、私たちは無事に離れの客室へと戻ってきた。
重い木製の扉を閉めた瞬間、静寂が二人を包み込む。
隆明は安堵したように息を吐き出すと、お土産の袋を畳の上にドサリと置いた。
その額には、澄んだ空気の中でもうっすらと汗が滲んでいる。
「……ふぅ。これで、頼まれていたお土産は全部買えたね、海魅」
「ええ、ありがとう隆明くん。とっても助かったわ」
私は優雅に腰をかけ、着ていたカーディガンをそっと脱ぎ捨てた。
首元を隠していた布地がわずかに乱れ、朝に彼がつけた真っ赤な愛の痕跡がチラリと覗く。
隆明の視線が、まるで吸い寄せられるように私の首筋へと注がれた。彼の喉仏が大きく上下し、荒い呼吸が静かな部屋に響く。
人混みから解放され、二人きりの空間に戻ったことで、彼の中で抑え込まれていた獣の気配が再び頭をもたげ始めているのが分かる。
「海魅。お土産もちゃんと買ったし、僕もずっと『紳士』にしていたよ。そろそろ……その……」
隆明が膝立ちになり、じりじりと距離を詰めてくる。
欲望に乾いた瞳が、私を捉えて離さない。
「あら? 何のことかしら」
私は知らん顔で小さく首を傾げ、上品に微笑んでみせた。
「言ったでしょう? おうちに帰るまで『エッチなこと禁止』って。お買い物につきあってくれたのは当然の優しさよ? それくらいで許してもらえると思ったら大間違いなんだから」
「そんな! 海魅、頼むよ。僕だって、もう限界なんだ。君が目の前でそんなに綺麗で……そんなに」
隆明は縋るような目で私を見つめ、伸ばしかけた手を必死の理性で途中で止めた。
指先がプルプルと震えている。
(いい表情だぜ、隆明。目の前にご馳走をぶら下げられて、お預けを喰らっている犬そのものだな。だが、ここで折れてやるほど俺は優しくない)
「だめです。触ったらお預けの期間を伸ばしますからね?」
私はツンと澄ました顔で言い放つと、畳の上にぺたりと座り直し、自分の足首を優しく揉んだ。
「あーあ、たくさん歩いたから、足がとっても疲れちゃった。ねぇ、隆明くん? 『エッチなこと』は絶対に禁止だけど……疲れた私のお足を、優しくマッサージしてくれるくらいなら……許してあげてもいいわよ?」
「! 本当かい!?」
「ええ。ただし……変な気を起こして、太ももの内側に触ったり、ストッキングを脱がそうとしたら……その瞬間に即退場ですからね?」
「分かった! 誓うよ、絶対にそんなことはしない!」
隆明はまるで救いの一手を見つけたかのように瞳を輝かせ、私の足元へと滑り込んできた。
彼の手が、私の足首をそっと包み込む。その手は熱く、強烈な情熱を孕んで震えていた。
指先一本触れることすら許されなかった男が、与えられた唯一の「接触」にすがりつくように、丁寧かつ慎重に私の足裏やふくらはぎを揉みほぐし始める。
「んっ、あ……隆明くん、そこ……気持ちいい……」
「海魅……っ」
私の口から漏れた小さな声に、隆明の身体が跳ねるように反応する。
触れていいのは足先だけ。
それ以上の「甘い境界線」を越えることは許されない極限の生殺し状態。
彼のチノパンの股間が、再び隠しきれないほど大きく膨らみ、熱い欲望の形状をくっきりと浮かび上がらせているのを、私は上から冷ややかに、そしてこの上なく愉悦に満ちた瞳で見下ろしていた。
(さあ、隆明。お前のその『理性の糸』が切れるまで、あとどれくらいだ? ギリギリまで悶え苦しむがいいさ……)
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隆明の大きな手が、ストッキング越しに俺のふくらはぎを力強く、だが壊れ物を扱うように慎重に揉みほぐしていく。
掌から伝わる体温は火のように熱く、その指先は微かに震えていた。
「ん……ぁっ、そこ……すごく上手……隆明くん……」
俺はわざとらしく吐息を漏らし、太ももをわずかにくねらせて見せた。
膝下が揺れるたび、ロングスカートの裾がふわりと捲り上がり、ガーターベルトの黒いラインが彼の視界にチラチラとちらつく。
隆明の呼吸が、あからさまに荒くなった。
彼の視線は俺の足元に固定されているものの、瞳の奥に燃え盛る欲望の火は隠しきれていない。
チノパンのフロントは、今にも生地を突き破らんばかりに隆明の猛りを主張している。
(必死だな、隆明。触れていいのは足先だけだというルールを忠実に守りながら、俺のこの喘ぎ声一つで脳みそをドロドロに溶かされているんだ)
「海魅、お願いだ。もう、許してくれ。君の声を聞いているだけで、僕の理性が……」
隆明はついに耐えかねたようにマッサージの手を止め、俺の足元に額を押し当てて懇願した。熱い吐息がストッキングの生地を透かして足首に吹きかかり、俺の全身に心地よいゾクゾクとした悪寒が走る。
「あら? 許してあげるだなんて、何のことかしら。隆明くん、まだマッサージの途中でしょう?」
俺は冷ややかに微笑みながら、彼の頭元にある右足のつま先をそっと伸ばし、その指先で彼の喉仏を優しく、愛撫するように押し降ろした。
ごくりと生唾を飲み込む隆明の動作に合わせて、俺の足指に彼の鼓動がダイレクトに伝わってくる。
「っく! 海魅……、そんな……足で……っ」
「ふふ、手がダメなら、足ならいいと思った? バカね。一番お預けを食らっているのは、その……パンパンに膨らんだ、隆明くんの『そこ』でしょう?」
俺は海魅としての甘い仮面を少しだけ剥がし、不敵で淫靡な笑みを浮かべた。
足先をそのまま滑らせ、彼のポロシャツの胸元から、固く張りつめたチノパンの股間へと、ゆっくりと圧迫を加えていく。
「あ……っ、海魅……ダメだ、そんなことされたら……っ!」
「ダメ? 何がダメなのかしら。触らないでって言ったのは私で、私から触る分には……何の問題もないでしょう?」
(さあ、隆明。手を使わずに、俺の足だけでどこまで狂わされるか……じっくり味わうがいいさ。お前の理性が完全にぶち切れるまで、俺の『お預け』は終わらないんだからな)