コスメショップを出た俺は、銀座の街を優雅に歩きながら、次に向かうべき服のショップを頭の中で吟味していた。
(さて、次は服だな……。貴子さん好みのエレガント系か? 旦那様好みの落ち着いたマダム系か? それとも、俺好みのギャップ萌え系か……?)
一瞬迷ったが、貴子さんの膨大な記憶データベースをスキャンしていた俺の脳内に、ピンと来るショップの情報が引っかかった。
(……待てよ? 貴子さんの記憶にあるこの店……ハイブランドでありながら、洗練されたラグジュアリーストリートカジュアルを展開してるブランドじゃないか!)
そこは、貴子さんにとっては「たまに休日用の遊び心ある服を買う店」であり、俺(キヨヒコ)にとっては「まさにドンピシャで大好きな、ストリート感と大人の色気が融合したデザイン」が揃う場所。
つまり、【貴子が知っていて自然に立ち寄れる店】でありながら、【完全に俺好みの服が置いてある店】という、まさに一石二鳥の奇跡的なスポットだった!
「ふふ……あそこにしましょう」
貴子さんの艶やかな声で小さく呟き、俺はヒールの音を鳴らしてその路面店へと向かった。
ガラス張りのスタイリッシュな店内に入ると、洗練されたスタッフが恭しくお辞儀をして出迎えてくれる。
店内に飾られているのは、エッジの効いたシルエットのジャケットや、上質な素材で作られたルーズフィットのニット、スタイルを抜群に見せる変形タイトスカートなど、俺の「フェチ心」を激しくくすぐる服ばかりだ。
(うわぁ! マジで最高のラインナップじゃん! 貴子さんのあのクローゼットにあったパーカーとも相性抜群だし、男目線から見ても『こんな服着てるお姉さん、マジで最高にエロ格好いい』って思えるやつばっかりだ……!)
俺は貴子さんの優雅な立ち振る舞いを維持しつつ、瞳の奥では元・野郎としての興奮をメラメラと燃やし、ラックに並ぶ服を一枚一枚手に取っていった。
「貴子様、本日はどのような雰囲気のアイテムをお探しでしょうか?」
すっと寄ってきた店員に、俺は貴子さんらしい余裕の笑みを向ける。
「今日はね、後で主人が合流してくれる予定なの。少し遊び心のある、でも大人っぽく着こなせる秋物をいくつかピックアップしておきたくて」
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